中米で熱帯暴風雨「アガサ」が猛威をふるっている。グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルでは少なくとも死者の115人が出ており、約12万人に避難勧告が出され、約3万人が収容施設に避難している。グアテマラでは首都の近郊にあるパカヤ山が噴火を始め、非常事態宣言が出されていた。自然災害が重なり、街では道路が陥没して巨大な穴があく被害まで出ている。

先月28日、グアテマラの首都から南に約50kmにあるパカヤ山が噴火を始めた。山から溶岩が流れ出し、市街地にも火山灰が降り注いだ。噴火の報道をしていたニュースキャスターが、飛来した岩に直撃し死亡したほか、火山周辺の地域の約2,000人が避難していた。同国のアウロラ国際空港は28日から全便のフライトを中止し、空港を閉鎖していた。

そこに追い討ちをかけるように、熱帯暴風雨「アガサ」が到来したのだ。火山噴火と暴風雨は予想外の事態を引き起こした。街中に降り積もった火山灰に大雨が大量に降り注ぎ、灰はコンクリートのように固まって、街中の排水管および下水システムを全て詰まらせてしまったのだ。下水システムが壊滅した街は悪臭が漂っているという。そして、地盤のもろくなった地域では、コンクリート化した火山灰の重さに耐え切れずに道路が陥没してしまった。

現在、アガサは勢力を弱め、すでに暴風雨ではなくなったが、グアテマラでは復興の目処(めど)は立っていない。政府はインターネットなどを通じて復興支援を呼びかけている。火山と豪雨が同時に起き、排水管を詰まらせるとは、誰も予想しなかったことだろう。自然の力は凄まじい。

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