サブカテゴリー

PR:

鳩山首相 政局ピリピリなのに…親指立て笑顔

民主党の小沢幹事長らとの会談を終え、国会を出る鳩山首相
民主党の小沢幹事長らとの会談を終え、国会を出る鳩山首相
Photo By 共同

 鳩山由紀夫首相は1日、民主党内で高まる退陣論に対し、続投意欲を強調した。夕方には前日に引き続き小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長と会談。進退問題について結論は出なかったが、報道陣の「続投ですか?」との問いに、親指を立てて笑顔を見せる「宇宙人」ぶりを発揮した。

 首相は午後4時すぎに宮崎訪問から戻り、硬い表情で官邸に入った。同6時頃から、国会内で小沢、輿石両氏と約30分間会談。大臣室を出る際、報道陣から「続投ですか」と問われると、笑顔で左手の親指を立てる余裕ぶり。官邸に戻った際には同じ質問に、歯が見えるほどの笑顔を見せた。

 首相より先に部屋を出た小沢氏は仏頂面で足早に自室へ。周囲に「結論は出ていない」と説明。前日の会談で事実上の「退陣勧告」を突きつけた輿石氏もぶ然とした表情で、記者団に「コメントしない」とだけ語った。

 党側は7月に想定される参院選の厳しい情勢をあらためて伝えたが、首相の進退問題について結論は出ず、引き続き協議することになった。首相が繰り返し続投に意欲を示していることから辞任を拒否したとみられる。

 朝には記者団に「小沢氏と協議、協力し、国難に立ち向かっていく」と政権継続への決意をあらためて表明。強気の背景には「引きずり降ろす力はない」(周辺)との読みがあったようだ。前夜、側近議員数人と党内情勢を分析し「降ろそうとしている側に、次にどんな政権にするか明確な展望があるわけではない。長続きはしない」との楽観論も。

 しかし、参院を中心とする党内の退陣論はさらに拡大。高嶋良充参院幹事長は会見で「(参院選の)改選組が苦労している環境を改善できたらと思っている」と表明、首相の自発的辞任に期待をにじませた。参院幹部は「民主党は代表を代えて選挙に勝ってきた歴史がある」と指摘した。参院選改選組では、沖縄県出身で比例代表から出馬予定の喜納昌吉議員が参院外交防衛委員会で「今のままでは自公政権よりもひどい体たらくだ」と鳩山政権の迷走を批判した。

 党内には「小沢氏が“おれも辞めるから、首相も辞めろ”と迫るのではないか」(ベテラン議員)との見方も出ている。政権最大の後ろ盾だった小沢氏は、米軍普天間飛行場の県内移設方針決定後、微妙に首相から距離を置くようになったとされる。小沢氏に近い党幹部は「首相が退陣すれば、自分も幹事長にとどまれないことはよく分かっている」と指摘。首相の宇宙人ぶりとは裏腹に包囲網はさらに狭まっていきそうだ。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年06月02日 ]

関連ニュース

読み込み中..

PR

関連写真

読み込み中..

ニュース

クイックアクセス
スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲