「~のほう」のあいまい言葉を減らそう
「おつりのほう、500円でございます」、「社長のほうから、ごあいさつ申しあげます」など、「~のほう」というあいまいな言葉を使う人が多くなっている。これは断定を避けてボカした表現にし、自分の責任を明確にしたくない心理から、こうしたあいまい言葉を使ってしまうのだ。
おつりのほうが500円でなく、おつりが500円なのだ。500円で間違いありませんと、責任を持って発言してもらいたい。社長のほうがあいさつするのでなく、社長があいさつするのだ。どうして「弊社の社長からごあいさつ申しあげます」と、はっきり言えないのだろうか。
こうした「~のほう」は、詐欺言葉だ。訪問販売で消火器を売りつけるいい加減な業者が、よく「消防署のほうから参りました」を切り出しに使う。消防署の職員ではないのだから、「消防署から参りました」と言ってしまうと、ウソをついたことになる。
それが「消防署のほうから参りました」と言えば、消防署のある方角から来たことを言っているので、ウソをついたことにはならない。それでいて消費者には、なんとなく消防署の関係者であるイメージを与えることができる、だから詐欺言葉なのだ。
テレビ番組の中でも、平気でこうした「~のほう」を使うタレントが多くて、いい加減さにあきれてしまう。本人は知らずに、そうした言葉の文化に浸ってしまっているのだろう。ものごとを意識的にあいまいに表現したいとき、明確に表現すべきときなど、しっかり意識して使い分けてもらいたいものだ。
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