女児(7)に脳性まひなどの障害が残ったのは出生時にヘルペス感染を見逃したためだとして、両親ら=小松市=が、女児の生まれた病院を経営する「恵愛会」=同市=に約1億7300万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が31日、金沢地裁(中垣内健治裁判長)であった。恵愛会側は請求棄却を求めた。
訴状によると、女児は03年2月にこの病院で誕生。出生時の血液検査で炎症反応があったが、医師から「治療した」と説明された。退院後、口元に発疹(はっしん)ができたため再度診察を受けたところ、医師から「心配ない」と軟こうを渡された。数日後、高熱とけいれんを起こし、小松市民病院や県立中央病院に入院したが、ヘルペス脳炎に罹患(りかん)しており、脳性まひなどの障害が残った、とされる。
原告らは、新生児の発疹は珍しく、ヘルペス感染が疑われたのに適切な処置を怠った、と主張している。【宮本翔平】
毎日新聞 2010年6月1日 地方版