2010年6月2日0時1分
プロ野球のセ・パ交流戦が6年目を迎えている。過去の交流戦ではパ・リーグのチームの活躍が目立つ。過去5年間の交流戦優勝チームは、すべてパ・リーグから生まれている。
パ・リーグと言えば、かつて、読売ジャイアンツのいるセ・リーグに比べ観客動員に苦労してきた歴史がある。テレビの地上波放送の中継はほとんどなく、一般家庭のお茶の間にはあまりなじみがない。そのパ・リーグの観客動員数が近年、着実に増えている。
パ・リーグ人気を支えているのは、インターネット放送とCS放送、そして、ラジオ放送である。おもに若者を対象としたモバイルやパソコンから観戦できるインターネット放送は、移動中でも割安で試合が楽しめる。一方、CS放送は費用はかかるが、全試合を終了まで観戦でき、熱心なファンと比較的年齢の高い層に支持されている。
さらに、パ・リーグは九州に続き、北海道や東北への地方進出を果たし、地域密着戦略が成功している。地方でもジャイアンツというファン構造を急速に塗り替えている。
若い女性ファンが目立つ球場風景も、男性や家族連れを中心とした従来の状況とは異なる。ファッション性の高い応援グッズや、女性が「投げる」「打つ」を体験するイベントなど女性ファンを取り込むためのサービスが成功し、クチコミでファンの輪を広げている。
趣味やレジャーの多様化で、スポーツ事業も苦戦が続く。従来型の地上波中継、全国ブランド、男性客ではなく、インターネット、CS放送、地域、女性客に活路を見いだしたパ・リーグの戦略は、日本人の嗜好(しこう)の多様性に対応する一つのモデルである。(深呼吸)
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「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。