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[PR]ヒーローになった男、次なる試練

社民党は参院選で1人も当選しないだろう

2010年06月01日10時00分 / 提供:ゲンダイネット

ゲンダイネット

 主張を押し通して、大臣を罷免された社民党の福島瑞穂党首は、果たしてうまくやったのか。大マスコミは、鳩山政権をさらに揺さぶるチャンスとばかり、騒動を大げさに伝えている。鳩山首相と対決した福島党首が「女を上げた」みたいに評価されているが、実際のところは逆のようだ。

 政治ジャーナリストの山村明義氏が言う。

「党首の暴走を食い止められず、社民党内部も困っているのが本当のところでしょう。福島党首は7月の参院選が改選。自分の選挙が迫っているから、この普天間問題ではとにかく露出を増やし、目立とうとしてきた。その行き過ぎたパフォーマンスに、党内からは“このままではマズい、抑え役はいないのか”という声が出ていたほどです。それというのも、社民党内で政権離脱派は少数。幹部たちは妥協の道を探ってきた。与党に入っているからには、ある程度のガマンは必要だし、少数政党なのだから、なおさらだと考えている。しかし、自分の道を突き進む福島党首にその声は届かなかったわけです」

 福島党首に対しては、民主党内からも「議席数の割にやりすぎだよ」と、もてあます声が増えていた。それでも鳩山首相は、何を言われても耐えていたが、最近はホトホトまいっていたという。

 それを考えれば、福島党首をスパッと切ったのは賢明な判断。潮時だったのだろう。

●普天間以外の仕事を早くやれ

 与党連立の混乱をとらえ、野党の自民党などは一斉に「政権末期だ」と批判を強めている。だが、それも違う。福島党首がいなくなることで、鳩山政権は逆にスッキリしそうだ。

「社民党が連立から離脱するかどうかは、民主党政権にとって根幹の問題ではありません。根っこと関係ない、枝が一本切れたようなもの。政局になるような話ではありません。むしろ、福島党首の主張をのんでアイマイ路線で行っていた方が深い傷になった。ずっと普天間問題で足を引っ張られ、後ろから鉄砲玉が飛んでくるような事態が続けば、政権運営は前進しません。鳩山首相は踏ん切りをつけるときだったし、つけてよかったのです。それは民主党の小沢幹事長の方針でもあると思います。小沢氏は、細川連立政権で旧社会党に足を引っ張られて、政権を失った。それがトラウマになっている。昨年、政権維持の数合わせのために社民党と組んだものの、決定的なトラブルメーカーになる前に手を切ろうと考えてきたはずです」(政治評論家・浅川博忠氏)

 これで与党連立内のゴタゴタがなくなって、鳩山政権が前に進んでくれるなら、結構なことだ。大マスコミの罠にはまり、福島社民党にひっかき回され、この数カ月、鳩山内閣は普天間問題だけに右往左往だった。しかし、今の日本が抱える問題は他にもたくさんある。円高・株安の経済をどう立て直すのか。政治主導を確立し、官僚システムのムダを洗い直し、財源を見つける仕事も待ったなしだ。早く年金や健康保険の改革だって進めてもらわないと困る。

 100点満点の解決策なんてない普天間問題に没頭して、政治空白をつくるのが最悪の展開。それにひとつケリがついただけでもよかったのだ。

●30日の全国幹事長会議、社民党は分裂を始める

 それにしても、社民党は失うものが多い。

 与党連立を離脱するかどうかを決める30日の全国幹事長会議。福島党首は「誤りのない最終決断を下したい」と、すっかり離脱気分だが、離脱してもプラスはない。待っているのは地獄だ。

 浅川博忠氏(前出)が言う。

「30日の幹事長会議で、福島党首が完全離脱を主張したら混乱になると思いますよ。党内には、離脱したくない、与党にいた方が有利と考えている議員の方が多い。地方の県議や市議だって、与党議員でいたいのが本音です。そうした党内事情をわきまえずに、福島党首が突っ走れば、分裂状態になってもおかしくありません。それは参院選にも影響する。ひとり“女を上げた”福島党首は比例で当選するかもしれないが、他の候補者はトバッチリを食って、惨敗も考えられます」

 確かに、民主党との選挙協力がなくなれば、選挙区での当選は間違いなくゼロだ。比例区も簡単じゃない。

 昨年の衆院選での実績からいえば、社民党は全国で320万票を持っている。それを基に、選挙予測では、2から3議席獲得とみられているが、それも話が違ってくる。

●参院選でこの党は消滅へ一直線

 昨年の総選挙は、政権交代選挙で投票率が高かった。民主党と選挙協力した社民党には政権交代への期待の票も集まった。だが、政権を離脱し、弱小野党になる社民党は、その他の新党に埋没するだけだ。昔からの支持者だってアテになるか分からない。

「旧社会党時代も、細川連立政権から離脱したかと思えば、村山首相で自社さ政権を組んだりしたものですが、選挙のたびに旧社会党は議席を大きく減らした。政権に入ったり出たりした95年の参院選は壊滅的打撃を受けたものです。与党に入ったなら踏ん張るしかないし、不満があるなら野党で頑張るしかないのに中途半端だから、支持者も何をやっているんだと離れてしまうのです。今回だって、単純に“福島社民党はよくやった”とはならない。何のために与党だったのと見られ再び壊滅的打撃になる可能性が十分ですよ」(山村明義氏=前出)

 連立離脱で弱小野党に逆戻りする社民党が、参院選で党首1人当選か当選ゼロなんてなったら、この党は消滅へ一直線だ。“次”がある衆院議員は競って民主党へ逃げ出すだろう。「あの政権離脱は何だったのか」という話になってしまう。最後のバクチに出た福島党首だが、大負けの道に踏み出しただけといえるのだ。

(日刊ゲンダイ2010年5月29日掲載)

関連ワード:
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