2010年4月3日 20時34分 更新:4月3日 23時43分
自民党の与謝野馨元財務相と無所属の平沼赳夫元経済産業相が新党結成で合意したことが3日、明らかになった。代表には平沼氏が就任し、与謝野氏も同格のポストに就く見通し。与謝野氏は3日、自民党本部で谷垣禎一総裁と会談し、7日付の離党届を提出した。園田博之前幹事長代理も週明けに離党し、新党に参加する。与謝野氏は「間延びしないようなるべく急いでやりたい」と旗揚げを急ぐ方針で、早ければ週内にも発足する。
与謝野、平沼両氏らは5日会談し、新党結成の日取りなどを決める。関係者によると、新党は政党要件を満たす国会議員5人でスタートする。自民党の藤井孝男元運輸相が3日、岐阜市内で記者団に「新しい体制の中でやることも自民再生の道としてはあるのではないか」と新党参加に前向きな姿勢を示したほか、閣僚経験のある参院議員の参加も取りざたされている。
新党は今夏の参院選で民主党の単独過半数阻止を最優先課題に掲げる。比例代表を重視し、橋本大二郎前高知県知事ら無党派層へのアピールが見込める候補者の人選を進める一方、選挙区では「1人区」「2人区」に候補者を立てず、自民党との競合を避ける方針だ。
だが、「自民寄り」の姿勢が強まれば、民主党も自民党も支持したくない有権者を引きつける「第三極」としての新党結成の意義はぼやける。世論調査などで存在感を高めるみんなの党の渡辺喜美代表は、消費増税に積極的な与謝野氏との連携を明確に否定しており、参院選をにらみ、新党批判を強めそうだ。
与謝野氏の離党を受け、自民党の大島理森幹事長は福岡県筑紫野市で「すでに雑誌等でかなりはっきりおっしゃっているので、予想された範囲という受け止めをする人が多いのではないか」と平静を装った。とはいえ、結束にほど遠い党内事情をさらけ出した自民党のダメージは大きい。
鳩山由紀夫首相は視察先の大津市で記者団に「自民党もたいへんだなあという思いはあるが、それぞれの政治家が政党活動をするのは一人一人の信念の話だから、今の立場からコメントすることはない」と語った。岡田克也外相は三重県いなべ市で「与謝野さんらしからぬ行動だ。あまり先が見えない。同じ考えを持った同士が集まったとも思えない」と酷評した。【野原大輔、岡大介】