◆中日4−3オリックス
反撃の口火を切ったのは近藤キラー・和田の一振りだった。3点リードを許したまま、このまま終わるのかと思われた7回。先頭で打席に入ると、真ん中高め140キロ直球をガツンとフルスイング。バックスクリーンにたたき込む15号ソロで、反撃ムードの火を付けた。
「こういう状況だったので、何とかしようと思ったのがホームランになりました。やられっぱなしで終わるわけにはいかない」。6回に円陣を組むも、そのかいなくゼロ行進。7回にも再びベンチ内に野手陣の輪。回の先頭打者である和田は加わっていないが、バットで沈滞ムードを打破し、ベンチを勇気づけた。
4回の第2打席でも左前打を放ち、この日近藤から2安打。通算対戦成績は14打数7安打の打率5割で6打点2本塁打。「甘い球を逃さなかった? そんなことないですよ」と控えめに語るが、めっぽう強い相性がこの日もハッキリ現れた。
今季の交流戦のビジターではこれまでDHに入っていたが、この日初めてレフトに入った。その守りでもハッスルプレーを見せた。初回にT−岡田の左翼フェンスを越えるか越えないかの大きな当たりをジャンプしてキャッチした。「体調はずっといいですから」と力を込める。
野手の中では、逆転打を放った39歳の谷繁に次いで、2番目のベテランとなる37歳。試合前練習のランニングでは、その谷繁と一緒に併走。ダッシュのタイムトライアルでどちらが速いか競うなど、元気いっぱいだ。「1打席1打席集中していくという姿勢は10点差でも1点差でも同じです」と和田。負ければ泥沼4連敗となるチームを谷繁とともに救った。 (中谷秀樹)
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