協会で手続きを行った北の湖親方(右)と木瀬親方=両国国技館
大相撲の木瀬親方(40)=元幕内肥後ノ海=が暴力団に観戦を手配し、事実上の部屋閉鎖処分を受けた問題で、木瀬親方と受け入れ先の北の湖親方(57)=元横綱北の湖=が31日、日本相撲協会で手続きを行った。木瀬親方が「木瀬部屋一同預り願い届」を提出し、所属力士27人ら合計31人は31日付で「北の湖部屋預り」となった。木瀬親方は北の湖部屋の部屋付き親方となる。
◇ ◇
午後0時50分ごろ、北の湖、木瀬の両親方が国技館に姿を見せた。「‐預り願い届」を提出したことで木瀬親方と力士27人、行司1人、呼び出し1人、床山1人の計31人が、北の湖部屋に加わり力士数46人の新生北の湖部屋が誕生した。
北の湖親方は「人数が多くなっても切磋琢磨(せっさたくま)していけばいい」と前向きだった。早ければ2日にも力士らは北の湖部屋に引っ越す。「一緒に住むようにします。みんなでけいこをします」と一つ屋根の下での再出発を図る。
この日から、両部屋で大掃除が始まった。北の湖部屋の倉庫からは北の湖親方の明け荷や何年も使っていないサイクリングマシン、果てはカラオケセットまで表に出された。一度整理した後、受け入れに必要なスペースを作る。
事実上の転籍となる木瀬部屋から、引退・退職者は出なかった。木瀬親方は「辞める人がいなかったのはほっとしています。子どものころからあこがれていた北の湖親方の人間性を見て、勉強していきたい」と誓った。
(2010年6月2日)