ソフトバンク−中日 11回表2死一塁、猛打賞となる3本目の安打を左前に放つセサル(榎戸直紀撮影)=ヤフードームで
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◆ソフトバンク6−5中日
一筋の光明はセサルだった。開幕から不振続きだった新外国人選手。初めて、3安打猛打賞をマークしたのだ。
メキシカン・リーグで昨季のMVPに輝いたスイッチヒッター。まずは右打席だった。2回無死、ソフトバンク大隣の速球を右前へ。もう止まらない。4回無死一、二塁では同じく大隣の速球を中前へ運んだ。4月2日の阪神戦(ナゴヤドーム)以来、94打席ぶりのタイムリーで、「とにかくセンター返しを心がけた。うまくとらえることができてうれしいね」
そして左打席。11回2死一塁でファルケンボーグの変化球をレフトへ。6回には盗塁も決めた。
大きな期待を受けて入団し、開幕スタメンも任されたが、試合前の時点で打率1割5分5厘と不振を極めていた。2軍落ちも経験した。それでも前だけを向き、今月上旬に来日した家族のサポートも受けながら、懸命に練習を重ねた。
27日の日本ハム戦(金沢)の試合前には落合監督から約30分間にわたり、軸足の使い方など打撃指導を受けた。「勉強になりました」。すぐに結果に結びつけることはできなかったが、助言を胸に練習を繰り返し、この日の活躍につなげた。やっと結果が出た。
試合後、セサルは「調子が上がったかどうか、まだわかりません」と慎重だったが、石嶺打撃コーチは「結果が出れば、状態もよくなるかもしれない。続けばいいね」と話した。不振脱出の兆しは見えた。このまま本領発揮といきたいところだ。
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