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【阿比留の目】鳩山ワード 「愚かさ」の裏のしたたか処世術 (1/2ページ)
鳩山由紀夫首相の資質・能力については、米軍普天間飛行場移設問題をめぐる迷走や、母親からの多額の資金供与に関する珍答弁などで「愚か」というイメージがすっかり定着した。とはいえ、首相の言動を注意深く追っていくと、意外に「したたかで姑息」な素顔もうかがえる。
「政治とカネの話はやはり、この政権にとって大変国民の皆さんのお怒りを買った話だ」
首相は1日昼、視察先の宮崎市で記者団にこう強調した。参院民主党で首相退陣論が強まっている中で、あえて「政治とカネ」問題を持ち出すことにより、民主党の小沢一郎幹事長と「一蓮托生」であることを強調し、牽制したとみられる。
前日夕には、小沢氏、輿石東参院議員会長との3者会談を自ら呼びかけ、わずか8分間の会談後、記者団に「(続投は)当然だ」と答えた。退陣論が燃え上がる前に鎮火しようとする素早い動きだった。保身に関しては計算高いのだ。
「私自身の『できる限り県外』という言葉を守れなかった」。首相は先月23日に沖縄県を再訪した際、仲井真弘多知事にこう謝罪した。これまで「最低でも県外」とした過去の発言をさりげなく修正した。
4月21日の自民党の谷垣禎一総裁との党首討論では一度は「私は愚かな首相かもしれません」と認めながら、途中から「愚か」を肯定的なニュアンスの「愚直」にすり替えた。