強まる財務省支配!鳩山ハリボテ政権の実態
「リーダーの掟」
官僚は大臣に呼ばれるまで大臣室に入ることが許されないので、いまだに大臣と話したことがない局もたくさんある。
鳩山総理が成功した唯一の「脱官僚」とは
ある大臣の口癖は「更迭するゾ」である。出世にのみ命をかける、人でなしの官僚は、これを言うと黙ると信じているらしい。政治主導を実現するために、官僚のレクチャーを受けずに、党やマスメディアで辻褄の合わない持論を展開した揚げ句、「俺の発言を補強する資料を作ってくれ」と指示を出している。もし、「それは無理です……」などと言おうものなら「サボタージュだ、更迭するゾ」となる。
その大臣は、党や同僚政治家を批判しないことで有名だ。ところがなにを思ったのか「俺に対して言いたいことがあるなら、堂々と言ってこい」と官僚に発言した。大臣に堂々と言った結果がどうなるのかは、言われた官僚でなくても簡単にわかる。
「洗脳される」という被害妄想から、官僚は大臣に呼ばれるまで大臣室に入ることが許されないので、いまだに大臣と話したことがない局もたくさんある。これでは意欲のある官僚がなにもできない。「脱官僚」が官僚を一切信用しないという、あまりに幼稚な信念から出発するので、この大臣のいる省庁は、当面の間、開店休業が続くだろう。
さらに悪い事態にも直面している。次の事例に至っては「脱官僚」への誠意すら感じられない。
日本郵政の社長に就任した斎藤次郎氏だが、旧大蔵省の事務次官を退職したあと、社団法人情報研究基金の(代々の大蔵省事務次官が就任している)理事長に就任、その後は、大蔵省所管の財団法人国際金融情報センター顧問、東京金融先物取引所理事長に就任している。典型的な「天下り」で「渡り」をしている。
しかし、民主党は「大蔵省を辞して14年が経過しているからいいのだ」という詭弁を弄(ろう)して押し通した。日本郵政の役員の過半数は官僚出身者を登用している。
国民新党の亀井静香代表が郵政担当相だからと、考える人もいるかもしれないが、日本郵政の人事辞令を交付しているのは総務大臣である原口一博民主党衆議院議員である。
この人事で私が期待しているのは、特定郵便局長の報酬形態の全面公開である。私の調べでは、固定部分の収入として年間最低335万円を得ており、そのほかに法外な従量報酬がある。
郵便料金で80円を販売すると76円の手数料収入、貯金の預け入れ・払い戻し1件ごとに120円、保険料受け入れ1回につき124円、預金者の住所変更一度につき504円が、何もしない特定郵便局長に入る。手数料が、料金の95%を占める異常な状態だが、現在まで公開されていない。
また全国各地にある「速達未配達地域」の存在も明らかにされていない。速達料金を取っておいて、普通郵便と変わらない日時がかかる地域を早く公表すべきではないか。
今後、新しい社長が、特定郵便局長と郵便会社の暗部を明かすことを期待するが、もしそれが適わない場合、私が今回明らかにしなかった種々データを、徹底的にこの場で公開していく。
「改革」は掛け声ばかりで、内閣の実務レベルでの中枢を占める議員たちは、官僚出身者ばかり。「脱官僚」どころか、またしても官僚依存を深める結果になっている。
では、一切「脱官僚」ができていないのかといえば、それは違う。民主党唯一の「脱官僚」の成功事例は、所信表明演説の原稿である。残念ながら肝心の原稿の中身に関しては、官僚に丸投げし、「てにをは」(文章の助詞)を修正した程度のしろものだ。実は、鳩山総理の強いリーダーシップのもと、原稿が「縦書き」から「横書き」へと変更されたのだ。これは日本の憲政史上初めての歴史的快挙である。
鳩山総理孤高の成功事例にひとまず祝辞を送りたい。(文中一部敬称略)
作品大募集!!テーマは全部で18。あなたはどれを選ぶ?
小室淑恵さんによる連載を掲載中! あなたの職場は大丈夫?
絶好調企業は必ず効果的な「朝礼」をしている!レポートはこちらから
アサヒビール、丸紅、キヤノン……。経営者の知られざる素顔を描く。