岩手のニュース

子牛価格上昇 口蹄疫余波で全国から買い手 岩手県内市場

口蹄疫の余波で、和牛子牛の落札価格が上昇した全農岩手県本部中央家畜市場の競り=21日午前

 岩手県内で和牛の子牛の市場価格が上昇している。雫石町の全農岩手県本部中央家畜市場で21日まで3日間行われた5月の競りは、価格が前月比で平均8%上昇した。宮崎県での口蹄(こうてい)疫の感染拡大に伴う南九州市場の競りの中止や延期で、これまで南九州を利用していた買い手が岩手県内の市場に切り替えた影響とみられる。全農岩手県本部は「しばらくは高値が続くだろう」とみている。

 3日間の競りで1477頭の和牛子牛が落札された。1頭当たり平均価格は40万円の大台に乗り、前月比8%アップ。19、20の両日は前月比で11%も上昇し、3日間の平均価格は前年同月比で19%上昇した。
 全農県本部の猪原崇畜産酪農部次長は「南九州市場の閉鎖で、全国的な品薄感から価格が上昇したのかもしれない。先行きは不透明だが、今後もこの傾向は続くかもしれない」と話す。
 中央家畜市場によると、3日間の競りに300人以上の買い手が集まり、うち約半数が近畿や関東などからの県外バイヤーだった。独立行政法人農畜産業振興機構(東京)によると、先週まで全般的に大きな動きはなかったが、今週に入って購入先を九州などから他地域に変える動きが出てきているという。
 宮古市内で牛30頭を飼育する男性(37)は「買い手が岩手に集まり、高く売れるのはありがたい。しかしいつ岩手県内でも口蹄疫被害が出るか気が気ではない状況。それを考えると単純には喜べない」と複雑な心境を語る。


2010年05月22日土曜日

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