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●最終選考分の作品の講評

「蛍火の恋」黒川 恵
  • 新撰組の志士たちか、耐える女性の物語か、作者は何を書きたかったのだろうか。そこが読み手に伝わりにくいまま進んでいくので、読みづらかった。また長さも気になった。(Y)
  • お梅の視点だけで書いたらどうだったのだろう? 新撰組の史実を知らない人には、何で芹沢が殺されなければならないかがよく分からなかった。史実は史実として、物語の中でもしかりとドラマを書いてほしい(W)
  • 新撰組もの。登場人物すべてが屈折した愛憎に生きる。ひりひりとした心情表現がずっと続き、楽しく読み進められる作品とはちがう。社会生活と狂気の愛の狭間で悩む人物たちは、ボーイズラブ的感性の描き方ともいえる。ストーリーテリングの意識をもってほしい。文章は漢語が多くやや生硬。(T)
  • 心理描写や情景描写を、史実をうまくからめながら丁寧に描いており、読み応えは十分。ただ、ストーリー展開にリズムが無く、読んでいて途中で間延びしてしまった。さらには、登場キャラクター、特に主人公の女性は圧倒的に魅力が乏しい。彼女の”恋心”をもっとリアルに描いて欲しい。(N)
  • 「新撰組ワールド」のなかから、芹沢鴨と梅の恋(?)というエピソードを選択したのは、おもしろかったと思う。しかし、内面描写が多く、エキサイティングな部分が圧倒的に足りなかった。(O)
  • 得意な内容であるのか、細かく描けている部分や、恋愛ものとしてページ数を進められる点は評価できる。しかし、このジャンル以外を同じ情熱で描けるか、またページを引っ張るだけの要素が不足している部分が気になる。(S)
  • 惹かれる設定なのですが、登場人物にもっとオリジナルな魅力が加わるといいのではないかと思います。(う)
  • 登場人物の感情の揺れ具合など、かなりぎっしり書かれていて筆力があるなと感じたのですが、全体としては説明っぽいという印象もあり。主人公が誰かという点もわかりにくく残念でした。次作はオリジナルの設定でチャレンジしてみてほしいと思います。(や)
「ハチ屋」佑稀
  • 設定が何の前提もなく進められているのにはとまどったが、漫画的で気にならないという意見に最後は同意した。とはいえ、テーマは何か、ということも見えにくく、このままでは難しいだろう。柔軟に改稿が出来るのであれば、次はチャンスが来ると思う。頑張ってください。(Y)
  • 漫画的と気にならない人もいるのだろうが、私は時代設定と小道具のギャップに引いてしまった。キャラは魅力あるのだから、起承転結を考えストーリーを展開して欲しい。(W)
  • 人物多すぎ、話の骨子の設定が説明不足で敷居を高めてしまっている。だが人物が個性的で会話もさりげないが生き生きしている。文体もライトノベル的簡潔さとユーモアをもつ。 まだ17歳ということなので、いろいろなお話にチャレンジして欲しい。読みにくさの原因も考えてみてもらえれば。(T)
  • 登場人物の数に対して、キャラクターの書き分けが不十分。混同してしまった。さらには、途中、ストーリーと関係ないやり取りがダラダラと続くところでストーリーの筋がぼやけてしまった。あまり脱線せず、ひとつのストーリーについてより丁寧に描いてみてもいいのでは。(N)
  • 著者の若さもあるだろうが、自由奔放に物語を書いている感じがした。登場するキャラクターもおもしろい。ただ、登場人物の多さもあって物語がとっちらかってしまっていた。また、漫画と違って絵がないので、もう少し丁寧な設定がないと、迫真性が出てこないのでは?(O)
  • モデルとなるキャラクターが著者の中にあるような印象を受けたが、それでもキャラクターが魅力的でエンターテインメント小説として期待感をもって読み進められた。ただ、人物とエピソードが多く、このページ数では慌しくまとまりがなくなってしまっている。(S)
  • エピソードを絞って書いてみてはどうでしょうか? 設定は楽しいので、あえて現代設定にしてやってみてもおもしろいのでは? (う)
  • マンガ的な印象で、すぐに映像がイメージできた作品。キャラクター性も際立っていたと思います。ただ、登場人物が多すぎて、読んでいる途中で少々混乱気味に。メインキャラクターに絞って、物語を展開していくとよいのでは? 次作に期待です。(や)
「書生渡邊和樹の四つの覚書」玉恵 聖逸
  • ホラーに近い作品だが、読ませる力を持っている。主人公の女性が書生を好きになるその理由や二人の物語を、きちんと描いてくれていたら、恋愛小説としても読めて、ホワイトハート新人賞にふさわしい作品になったかもしれない。BLや萌えを意識して男性をもっと魅力的に描くのもいいだろう。惜しい作品だ。(Y)
  • 旧仮名使いで時代の雰囲気をだしているのだろうが、読みにくかった。主人公と書生とのドラマを読みたい。(W)
  • 内容、旧仮名使いとも明治〜大正の日本文学のオマージュとして十分成立する質の高さ。小説内小説という構造も見事にはまっている。ただ今っぽさはない。旧仮名使いの本をホワイトハートで買う人はいるのだろうか?(T)
  • 物語全体を覆うように独特の幻想的な雰囲気が出ている。この世界観をさらに拡げて、さらに深く突っ込んで描いていけばいいと思う。構成としては、各短編それぞれをより具体的な事象でつなげて、短編連作としてハッキリさせたほうがいい。(N)
  • 一種、宮沢賢治的な雰囲気があって、「四つの覚書」の中身は好きだ。ただ、主人公(?)の女の子が長く放っておかれていて、しかも最後に超現実の世界に足を踏み入れてしまうのはどうだろうか。ファンタジーは覚書の中だけで良かった気がする。(O)
  • 著者のこだわりを貫いた部分は好印象。この作品をホワイトハートでどのように活かしたいのかが気になる点です。(S)
  • 独特の雰囲気があり、そこはおもしろかったです。ひとつのエピソードを一本の小説にして書き込んてみてもいいのでは? (う)
  • 構成もかなり練られていて、こだわりが感じられた作品。旧仮名使いであるにもかかわらず、独自の世界に引きこまれました。ただ、一章一章が短編のように独立してしまっている印象もあり、全体としての大きな物語が見えてくるとさらによかったなと思います。(や)

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