福岡県警の現職警察官の逮捕を受け、記者会見で頭を下げる真田稔警務部長（左）と西谷五郎首席監察官＝２１日午後８時すぎ、福岡県警本部

　警視庁組織犯罪対策５課は２１日、改造拳銃を所持したとして銃刀法違反容疑で、福岡県警捜査１課の警部補、岡田好典容疑者（４６）＝同県宗像市ひかりケ丘７丁目＝を逮捕した。警視庁は岡田容疑者が銃マニアだったとみて、改造拳銃の入手経路などを調べている。福岡県警は今年、強制わいせつ容疑などで既に３人の現職警官が逮捕されており、岡田容疑者で４人目。

　逮捕容疑は１５日朝、自宅リビングに回転式拳銃「ミリタリー・アンド・ポリス」のモデルガンを改造した殺傷能力のある拳銃１丁を所持していた疑い。実弾はなかった。「違法であることは分かっていた。警察官という立場から逮捕は仕方ない」と供述しているという。

　組対５課は同日、岡田容疑者宅を捜索し、逮捕容疑の改造銃以外に複数のモデルガンも任意提出を受けた。発射能力などの鑑定を進めている。同課がインターネット上の有害サイトを監視中、改造銃の写真を掲載した匿名のブログを発見。岡田容疑者の所有と分かり、銃刀法違反容疑で３月から捜査していた。

　福岡県警監察官室によると、岡田容疑者は家宅捜索後は休みを取っており、２１日は任意同行を求められ県警本部で逮捕状が執行された。岡田容疑者のモデルガンの趣味を上司が把握していたかなどを同室が調べている。

　岡田容疑者は１９８２年に採用。福岡東署や粕屋署で盗犯のほか、殺人や強盗など強行犯を担当した後、２００４年３月から強行犯担当の捜査１課に勤務。０４年に起きた同県大牟田市の４人連続殺害事件などで計６回の本部長表彰を受けた。

　今年に入り県内では８件の発砲事件が相次ぎ、県警は「市民と一体となった銃器犯罪撲滅」を掲げていただけに、田中法昌本部長は「改造拳銃の所持という言語道断の行為で逮捕され、県民の皆さまに深くおわびする。再発防止の徹底を図り、信頼回復に努めていく」とのコメントを出した。

＝2010/04/22付 西日本新聞朝刊＝