講談社BOOK倶楽部
書籍 コミックス 雑誌 DVD
書き下ろし100冊
会員登録・変更 購入履歴 予約確認
  

ホワイトハート新人賞2009年上期 選考結果・好評 110作品の応募作のうち最終選考に残った6作品を部員全員で選考した結果以下の作品が新人賞と決定、ホワイトハートで出版いたします。
  受賞作
講評
『プリンセスの系譜』桜木 はな
ベルばら的な西洋史・革命・悲劇・恋愛、そして貴種流離譚といった定番の小説ではあるが、実に見事に書かれている。
最後のどんでん返しはやや想像ついてしまうかもしれないが、全体がとても良くできていて、その筆の力はすばらしい。構成もきちんと考えている人だと思う。
お菓子や西洋史の知識も吸収していて、それをうまくちりばめている。ベルばら以来のフランス物がどれだけ読まれるか楽しみである。
主人公の感情の起伏をもっと付けた方がいいという意見が強かったので、そこは改稿が必要で、本になるまでに直すことを条件に受賞とするが、とにかくいちばんうまいと思わせる作品だった。(Y)

女子の好きな時代設定、テーマではあるが、ストーリーの新鮮さがない。意外な展開で読み手を驚かせてほしい。ヒロインの感情が淡白なのが気になった。(W)

“実は家柄のよい女の子”の波瀾万丈な半生、結局成就する恋、というロマンス小説の王道。革命前後の切迫感はないが、シンデレラストーリー的カタルシスはある。ただ、王道ゆえ既視感はぬぐえない。(T)

文章のテンポが良く、スムーズに読める。ただ、キャラクター、舞台設定、人間関係、ストーリー展開・・・、いずれも過去に描かれた作品との類似性が感じられ、それらを少しでも超えるような驚きや感動がない。”ベタ”な物語だからこそ、独自視点でのプラスαを!(N)

まさに王道のシンデレラストーリー。非常にスムーズに読めて、バラ色な読後感だ。「革命」も「宮廷内イジメ」も描かれているのに、ちょっと理想郷的な印象を受ける世界観の小説になっている。もう少し、主人公の内面の葛藤を描かないといけないだろう。(O)

久しい少女マンガの要素が植えられて期待をもてたが、主人公が受動的かつ、悲・喜の表現が平坦なため、ドラマチックな印象を受けられず残念。(S)

先の展開は読めてしまうのですが、好きな設定ですので楽しみながら読みました。ただ、展開がすべて予想通りに進むと、もっと登場人物の魅力や意外性も欲しくなります。(う)

文章は上手で、一気に読み進めることができた作品です。ただ設定や展開が、ほぼ予想できてしまったというのが正直なところ。どこかで読んだことがあるなという読後感でした。あたらしさや意外性にもチャレンジしてほしいです。(や)
『シュアン』黒猫 ありす
架空の国の中での話だが、主人公が魅力あり、付き人となる男性との恋愛模様もよく描けている。
ストーリー展開もおもしろかったが、最後にきて枚数がなくなってきたのか説明的にはなっていたので、もっと刈り込んでいくことは必要だろう。設定をあまりに加えすぎているので、それも減らす必要があるだろう。そうすれば、読みやすくもなっていく。
ただ、4つの国の一つを中心に進んでいく話だが、別の一つの国をうまく絡めているので、続編では他の国も出てくるのは織り込み済みだろうし、公害や科学の話には、山田風太郎的な物語中論理がきちんと存在している。冷静に書いていける人だと思う。
若い世代の読者を引っ張っていける、男性読者も巻き込んでいける、と思わせる作品だった。(Y)

設定やや複雑でわかりずらいところもあるが、文章がうまいので感情移入できて読みごたえがある。(W)

主人公をおそう苛烈な運命と出自。その主人公のアクションで話が進行するのではなく、設定説明的。話が躍動すればキャラも立ってくる。(T)

舞台設定のスケールに対して、描かれている物語がこまごまとしすぎているのが残念。今後長編となること念頭におき、本作はさらに大きなプロットの中で改めて描き直してみてもいいと思う。(N)

SF&ファンタジー的な設定がワクワクさせる。主人公と仲間たちのキャラもいい。後半、急ぎ足になってしまい、説明的になってしまったのが残念。(O)

テーマや物語の流れ、主要人物の動きも無理がない反面、設定がやや複雑。主人公の幼い頃からの経験からくる言動(性格づけ)が表に出てこないところはもったいなかったのでは?(S)

読みやすい文章で上手だなと思うのですが、設定に凝りすぎていて読む人を選んでしまうのでは? と思いました。(う)

登場人物のセリフまわしなども自然で、文章がとても上手だと感じた作品。ただ設定が複雑で、ストーリー全体のテーマが見えにくいせいか、あまり物語に入り込めず…。構成を整理してみると、もっとキャラクターが生きてくるのでは?(や)
『アリス・イン・サスペンス』桃華 舞
 スリルとサスペンスとファンタジーをうまく融合して、読ませていく作品だ。
雰囲気を醸し出す才能を持っている。おそらく映画をよく見ている作者で、映像的なイメージを読者に提供できるように心がけているからではないだろうか。
「バギー・イン・ザ・ドールハウス」というユニークな小説があり、それに近すぎるのでは、という意見もあったが、イギリス・アリス・切り裂きジャックなどが源にある小説なのだから、多少は仕方ない気もする。
そのイメージから出発するのはいいので、その後に独自の匂いをもっと強く打ち出していけるようになってほしい。
不思議な感覚を持った作者だと思う。(Y)

サスペンスとしては弱いが、ポップで楽しく読めた。小道具の感覚が若い!(W)

十代(?)の青春まっただ中におこった悲劇を主人公の回想形式でえがく。主人公本人のノスタルジー感は伝わるのだが、主人公をとりまく友人の心情描写が希薄。殺人事件の動機も弱い。スラムストリート的ポップ感爽快だがもう一工夫ほしい。(T)

“おとぎ話”的な世界観がうまく描けている。もっと奇想天外なほうがいい。もっと変なキャラクターのほうがいい。もっと無秩序で自由なほうがいい。アリスの魅力がいまいち伝わってこないところは見直して欲しい。(N)

主人公たちの姿が、漫画的なイラストとなって浮かんできて、動き回るような印象。ライトな感じで書かれているが、ミステリー的なおもしろさもあるし、「大人対子供」というジュブナイル小説的なおもしろさもあった。”近未来スラムもの”のおもしろさが詰まっていた。(O)

既存の作品に見られる世界設定ではあるものの、著者の描写が小気味よいため、キャラクターに勢いを感じる。他の内容や、三人称の文章になったとしても、この小気味よさが残ることを期待。(S)

独特の世界感と軽躁感に惹き込まれました。次はどんな作品を書くのか、楽しみになります。(う)

設定などにはかなり既読感があったのですが、とても現代っぽい感性があるなという印象。テンポのいい文章も魅力的です。もっとオリジナルな世界観をふくらませて、あたらしい設定にどんどん挑んでほしいと思います。(や)


●最終選考分の作品の講評は、タイトルをクリックしてください。

「Utopia'sArk 〜楽園の方舟〜」「Blue Revolution」「ロスト・ウィッチ」「DOUBLE!!」「海へそそぐ雫」
「knot〜独蝶〜(ノット〜こちょう〜)」「ガラスの靴と黒い猫」「君に愛にきた」「蛍火の恋」「天から降る花の如く」
「新月と銀貨」「よもの嵐に穿たれて」「異常人」「竜の落とす涙」「骨董屋クロネコ堂の秘密」「火色の実ふたつ」
「終わりのおわりにあるもの」「ハチ屋」「「黄金野で、君待つ。」「青玉の姫君」「碧眼の魔法使い」「王女叙任騎士メサイア」
「胸に残った真夏」「化天の舞」「丁陵物語」「シシル」「魔法の国の王子」「タイムレス」「ボクらはみんな恋をする」
「玉の継承者」「神愛仔〜始まりは儚き灯」「ラバース・コンチェルト」「大魔界皇族」「プンクトヒェン・クラインヒェン」
「負わば、橙色の翼」「リーファリイに花はひらく」「辻占の導くところ」「炎の華 ―創壁のきみへ―」
「いつでも空には満天の星」「Secret Gem」「五十七秒間の永遠」「天遊 −円い天地の神語り−」「オレとアイツとドSな王女」
「神松寺猛流の本気」「プリンセスの系譜」「月宮天子−がっくうてんし−」「カンシツ」「優しいキスの記憶」
「黒耀の空言」「それは風の中に」「野獣は花嫁に接吻をする」「星へ」「メオト・メテオ」「隠神の森」
「君と素敵な別れ方〈優しさをあげる〉」「咎花の解放者」「自由の鎖」「みつめる愛で」「みんながいるから」
「この世の形代」「窓辺と皇帝の北の宮」「ニューヘブンに憧れて」「元お妃候補と秘密の誓い」「ウェルカムアワーズ」
「フェセットの七光り」「紅蓮の聖女」「魔物を視る簡単なお仕事です。」「記憶の底に沈められた楽園」
「奇跡の竜の旅の途」「眠る前に見る夢」「魔女の呪文と王女の指輪」「純黒の白百合 −Le lis noir et blancー」
「蒼い瞳の扉と、否定された世界」「蒼き義賊の物語」「まぼりしのくに」「自律人形は詠わない」「乃亜の箱舟」
「書生渡邊和樹の四つの覚書」「「月齢零 朔」「教会の眠り姫」「狼男だぞ」「時の旅人」「界談」
「シーアン・スクエアの麗人」「泥の花」「天に牙剥くけものたち」「三剣の邂逅」「神謡恋歌」「法官と医師」
「シュアン〜選ばれし少女と正義の鐘〜」「アリス・イン・サスペンス」「生と死を司る島で、君と生きる」
「お前に鈴蘭の花束を」「子×12(猫の子子猫獅子の子子獅子)」「共犯者」「コウネス魔道工学科始末記〜桜の時期のフーダニット」
「眠れぬ瞳」「特別な銀色」「冥界水先案内人」「天使の見守る星」「悲しからずや空の青」「薔薇のリュレン」
「スマラクト」「冬の終わりを見届けに」「ベア・ジーン」「銀の少女と記憶の想い」「紅き双翼と蒼海の棺」
以上、到着順。

〜講談社BOOK倶楽部はSSLに対応しています〜

Copyright(C)1997-2010 Kodansha Ltd. All Rights Reserved.
このページへのリンクについて利用案内利用規約お問い合わせプライバシーポリシー著作権について