2010年5月21日
1970年に福岡で結成されたロックバンド、サンハウスが再結成し、全国ツアーをしている。今回のメンバーでは30年以上ぶりとなるライブを見たが、懐古趣味は一切なし。「バンド」の理想型を見せつける爆音をまき散らした。
音がでかすぎてミキサー泣かせだった“鬼平”こと坂田紳一のバスドラムがドスッと響く。“菊”こと柴山俊之が「アウッ」と怪しく叫び、鮎川誠のギターが鳴く。ステージに出てきて3秒で空気をつかむ。フロアを見渡し、柴山が野太い声で「男が多いな」。「ロックンロール!」と過熱気味のかけ声がかかっても「うるせえよ」。
今でこそ当たり前になった日本語によるロックを始めた点で、サンハウスは日本ロック史に輝く。元々はブルースバンド。日本語の歌は、「歌ったことない。1回やって、だめならやめようって感じだった。漢字書けないからひらがなで書いてた」(柴山)。その型破りな歌詞が、黒人ブルースのシンプルなリフレインによく乗った。
そして体育会乗りのまじめさ。「月から金まで毎朝9時から練習。リーマンと一緒」(柴山)といえば、鮎川も「メンバーで交換日記つけていたからね」という。
猛練習があってこそ、「30年以上たってもパズルのピースがぴったり合う」(坂田)事態が起きる。柴山、鮎川の存在感は大きいが、リズムギターの篠山哲雄のカッティングも奈良敏博の硬質なベースもかき消されない。5人の音が5人以上に、音の構えが大きく、アタックが強く聞こえる。ロックバンドの魅力とは、まさにこの「化学反応」にあると再認識させられた。
22日=福岡DRUM LOGOS、29日=札幌BESSIE HALL。7枚CDとDVDのボックスセット「サンハウス・ザ・クラシックス」(テイチク)も発売されている。(近藤康太郎)