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「なんで今更総理が」突然の宮崎来訪、現場にいらだち(1/2ページ)

2010年6月1日16時5分

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写真:東国原宮崎県知事(右から3人目)と鳩山首相(左)の会談には、畜産農家(右端)も同席した=1日午前11時8分、宮崎県庁、金川雄策撮影東国原宮崎県知事(右から3人目)と鳩山首相(左)の会談には、畜産農家(右端)も同席した=1日午前11時8分、宮崎県庁、金川雄策撮影

写真:宮崎県を訪問し、県庁で東国原宮崎県知事(右)にあいさつする鳩山首相(左)=1日午前11時5分、金川雄策撮影宮崎県を訪問し、県庁で東国原宮崎県知事(右)にあいさつする鳩山首相(左)=1日午前11時5分、金川雄策撮影

 口蹄疫(こうていえき)感染が疑われる牛の最初の確認から約40日。1日、被害に苦しむ宮崎県を鳩山由紀夫首相が初めて訪れた。出口の見えない防疫作業に現場が疲れ切った中での突然の来訪。知事は歓迎の言葉で迎えたが、関係者からは「もっと現場の話を聞いて」「早く具体策を」といらだちの声が聞かれた。

 午前11時前、鳩山首相は薄い青色の防災服姿で宮崎市の宮崎県庁に到着した。

 知事応接室に入り、東国原英夫知事と対面。「発生農家のみなさんは大変なご苦労をされていると思う。遅ればせながらではございますが、ご苦労に対し、感謝申し上げたい」。さらに「政府としてできることはすべてやる」。立ったまま、約5分間語った。

 東国原知事は「総理から温かい言葉を頂いた。感謝申し上げる」と応じた。だが会談に同席し、補償の充実を訴えた同県川南町の養豚会社長、河野宜悦さん(48)は「農家は明日のことも分からない。早く具体策を出してほしい」と落胆した様子。肥育牛農家の岩崎勝也さん(40)も「首相の言葉は漠然としていて(希望の)光と思えない。再建は厳しいんじゃないか」と話した。鳩山首相は県庁に約1時間50分滞在しただけで帰路に着いた。

 同町の畜産農家は380戸、飼育される牛と豚は計約15万5千頭いる。このうち5月31日現在の感染疑いは184例、殺処分対象は約13万2千頭に上る。残る牛や豚もワクチン接種後に殺処分される。基幹産業は壊滅状態だ。

 この日も同町では午前8時過ぎから職員10人が家畜の埋却作業に出た。町対策本部によると、時折、猛烈な雨が降る中、殺処分後の牛や豚の足に縄をかけて穴に入れ、石灰をまく作業が続いた。足もとはぬかるみ、石灰も湿ってうまくまけない。町内24カ所では車の消毒作業も続いた。

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