100年に1人の天才、伊藤みどり

2010-06-01 00:28:29 Theme: ブログ

最近、カート・ブラウニングが何かの対談で、

史上最も優れたジャンパーとして伊藤みどりを挙げてくれたそうです。

この答えに異論のある人はいるでしょうか?

フィギュアスケートの歴史が始まって100年以上経ちますが、

おそらく史上最も優れたスケーターの1人だと思います。


凄すぎる選手であることは今更言うまでもありませんが、

改めてその凄さをフリーの点数とジャンプ構成で振り返ってみたいと思います。


○87-88シーズン

オリンピック

3Lz 3F 2A-3S 3Lo 3T-3T 3S 2A

T 5.9 5.8 5.9 5.9 5.9 5.9 5.8 5.9 5.9

A 5.6 5.5 5.6 5.7 5.6 5.7 5.6 5.6 5.7


ワールド

3Lz 2F 2A-3S 3Lo(ステップアウト) 3T-3T 3S 2A

T 5.8 5.9 5.8 5.8 5.8 5.7 5.8 5.7 5.8

A 5.6 5.6 5.6 5.7 5.6 5.5 5.5 5.6 5.7


2A-3Sのシークエンスは何度見ても気持ちいいですね



○88-89シーズン

スケートアメリカ

3Lz 3A(ステップアウト) 1F 2T 3Lo 3T-3T 2F 3S-2T 2A

T 5.8 5.8 5.8 5.8 5.7 5.9 5.8

A 5.6 5.8 5.7 5.7 5.8 5.8 5.6


NHK杯

3Lz 3A 3F 2T 2Lo 3T-3T 2F 3S 2A

T 6.0 5.9 5.9 5.9 5.9 5.8 5.9 5.9 5.9

A 5.8 5.7 5.7 5.9 5.9 5.8 5.8 5.8 5.7


ワールド

3Lz 3A 3F 2T 3Lo 3T-3T 3S 2A

T 6.0 5.9 5.9 6.0 5.9 6.0 6.0 6.0 5.9

A 5.8 5.7 5.7 5.9 5.9 5.8 5.8 5.8 5.7


ワールドの技術点はほんと恐ろしい点数ですね。

この頃から芸術点も上がり始めました。

まだまだ天真爛漫だった時期です。

たまに彼女は2Tとか2Fとか

ステップの一部のような感じで取り入れています。

たしかこの頃はジャンプの制限も

あまりなかったんだっけな。



○89-90シーズン

NHK杯

3Lz 3A 3F 3S 3Lo 3T-3T 2A

T 5.9 5.9 6.0 6.0 5.9 6.0 6.0 5.9 5.9

A 不明(6.0も出たらしい?)


ワールド

3Lz 3A 3F 2S 3Lo 3T-3T 2A

T 5.9 6.0 5.9 5.9 5.9 6.0 6.0 5.9 5.9

A 5.9 5.7 5.8 5.9 5.9 5.8 5.8 5.8 5.7


このシーズンが最も技術と表現のバランスが取れていた

かもしれないですね。

もうトリプルアクセルもド迫力です。

この後表現力が格段に上がっていくかわりに、

技術面が不安定になっていきます。



○90-91シーズン

スケートアメリカ

3Lz 3A(お手つき) 3F(オーバーターン) 3Lo 2T 2S 3T-3T 2A

T 5.9 5.8 5.6 5.9 5.9 5.7 5.7 5.9 5.9

A 5.8 5.7 5.6 5.8 5.7 5.7 5.7 5.7 5.8


NHK杯

3Lz 3A 3F 3Lo 2T 3S 3T-3T 2A

T 6.0 5.8 5.9 5.9 5.9 5.9 5.9 5.9 5.9

A 5.9 5.8 5.9 5.8 5.9 5.9 5.8 5.9 5.8


ワールド

3Lz(回転不足) 3A(転倒) 1F 3Lo 3S(オーバーターン) 3T-3T 2A

T 5.7 5.4 5.4 5.5 5.7 5.6 5.6 5.7 5.3

A 5.6 5.5 5.5 5.5 5.7 5.6 5.5 5.7 5.6


スケートアメリカが「皇帝」のプログラムのお披露目だったわけだけど、

もう明らかに前年と比べて一つ一つの動きが美しくなっています。

レイバックスピンがピアノの調べによく合っていて美しい!

もしかしからオリンピックシーズンのラフマニノフより

プログラム全体の表現の繊細さはあるかもしれない。

しかし、同時にこの頃から彼女を何かが蝕んでいったのだろう。

リンクに現れるときの表情が明らかに変わった。

キスクラでも爛漫さは影を潜め、

何かしらミスがあることが多かったこともあるけど、

考え込むような表情が増えた。

それでもNHK杯はほぼノーミスであの点数。

ワールドは様々なアクシデントにより崩れてしまったが、

そのベースにはもともとプレッシャーへの不安があり、

アクシデントが引き金となってそれが大きく現れてしまったのだと思う。

しかしやはり驚くべきは、90年から91年にかけての表現の向上!

この頃から表現点でも普通に5.9が出るようになりましたね。



○91-92

ラリック

3Lz-3T 3A-2T 2F 3S 3F 1Lo 3Lo

T 5.9 6.0 5.9 5.9 5.9 5.9 5.9 5.8 5.9

A 5.9 5.9 5.7 5.9 5.7 5.8 5.8 5.8 5.7


NHK杯

3Lz-3T 3A-2T 3F 3S 1Lz 2Lo 3Lo

T 5.9 5.8 5.8 5.9 5.9 5.9 5.9 5.8 5.9

A 5.9 5.8 5.8 5.8 5.9 5.8 5.9 5.8 5.9


オリンピック

2Lz-3T 3A(転倒) 3F-2T 3Lo 3A 3S 2A

T 5.8 5.8 5.8 5.9 5.9 5.9 5.9 5.6 5.9

A 5.8 5.8 5.7 5.7 5.7 5.8 5.8 5.5 5.8


ラリックは前哨戦でヤマグチに勝利。

ヤマグチやハーディングの台頭により、

この年から一気にジャンプ構成の難度を上げてきましたね。

ショートでも3A入れましたし、練習では3A-3Tも

何度も跳んでいました。

あとすごいのはリカバリー能力。

ラリックでは3Fがシングルになってしまったので、

2回目のルッツの予定のところを3Fに。

さらに3Loがシングルになったので、

直後の2Aの部分を3Loにして成功。

結果的にトリプル6種類全種類決めたことに(笑)

2回トリプルをシングルにしておいて、結果的に

トリプル6種類成功って!!!!

NHK杯も前半パーフェクトで神演技になると思いきや、

後半崩れる。しかしやはりループをリカバリーし、

結果的に6種類成功(笑)

そして人間業とは思えないオリンピックの後半3分での

トリプルアクセル成功。

http://www.youtube.com/watch?v=polwvMNVgFU

こちらの動画では、後半3Aの助走で

冗談でしょ??みたいな感じで解説陣が少し笑います。

そして成功すると、アンビリ~ヴァボ~!!!って

絶叫してます。


こうやって得点の経過を見てみると、

もう技術点は5.8以下がほとんどない。

凄まじいの一言。

芸術点も年々上がっていくのがわかりますよね。

動画を続けて見てると、

明らかに90-91シーズンから彼女の表情が

変わるのがわかります。

表現がシリアスになり、それは素晴らしい向上なのだけど、

オフアイス(というか演技以外)でもシリアスな表情が目立つようになります。

徐々に何かが蝕んでいったんだろうと。

ですので、オリンピックでのフリーを終えた後の

キスクラでのほっとしたような少し悔しいような、

でもトリプルアクセルを跳んだ達成感と・・・

そんなものが入り混じった何とも言えない表情を見ると

こみ上げてくるものがあります。


しかし、どんなに傷のある演技でも、

常に圧倒的なスピード感がある。

そして意地でも3-3や3Aなど難しいジャンプを

1つは決めてくる。全滅になることがない。


100年に1人の天才、大袈裟では全くないと思います。


Comments

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1 ■No Title

こんな人はもう出てこないですね…。
そのくらい凄かった。
巻き足だったけど、ジャンプも6種飛び分けていたし。
もしメンタルも安定していたのならリレハンメルに行って欲しかった。

2 ■すごいですね。

私が、フィギュアスケートファンになったのは、2005年からなので、
旧採点方式のことは知らないのです。

でも、これを見ると、すごいですね。
いや、驚きました。

3 ■No Title

こんにちわ、いつも楽しく拝見しておりますが、初めて投稿させていただきます。
浅田選手によるフィギュアブームで、鑑賞しはじめた新参者です。
過去の動画を見て、伊藤さんの圧倒的な存在感に感嘆しています。ジャンプそうですが、リズム抜群のステップも大好きです。とくに、1990年シリーズでしょうか、SPのベニーグッドマンなどのジャッズ、こんなスケートは空前絶後ではないでしょうか?表現力を「感情」「情緒」、つまりロマン主義的な解釈と(限定)する風潮に疑問をもっています。
身体表現が音楽のムーブメントになっているか、この点で卓越しているのが伊藤さんと感じます。
批判の多い浅田選手のファンですが、音楽を頭ではなく、身体で感応しているところに感心しています(肩での「呼吸」で)…しかし、伊藤さんと比べるのは酷ですよね。

今後ともよろしくお願いいたします。

4 ■若者にデマを広めないために

<若者にデマを広めないために>
ご協力お願いします。

この文章全体を、2ちゃんねる、ヤフー掲示板、各ブログ等へコピペするだけです。
しないなら、黙って立ち去ってください。理由: デマを助長しているので。

ご協力お願いいたします。

<デマって何?>
おもしろいですよ。 ↓↓↓↓↓
伊藤87ニュース  【コンパル 14位】 → ショート → フリー
http://www.youtube.com/watch?v=FcYeCRDI4FU
NHKデマ番組  「あれっ? コンパルソリーは?」
http://www.youtube.com/watch?v=l5s7TGga9Zc
<伊藤 コンパル順位>
-------------------
84世選:16位
85世選:(欠場)
86世選:19位
87世選:14位
88五輪:10位
88世選:14位
89世選: 6位   ←優勝■ 芸点1位
90世選:10位          芸点1位
91  廃止
92  廃止
-------------------
・89年の優勝は、単に「コンパル6位」のせいにすぎない。
・「芸点が弱点」もデマである。

<若い人たちへ> 
カラクリ ご注意  (コンパルと高齢者)
http://megalodon.jp/2010-0313-2200-58/messages.yahoo.co.jp/bbs?action=5&board=1835594&tid=0kfa3a4dfa4ia4j&sid=1835594&mid=2676
 「美の基準がひっくり返る」 → 「芸術点」のゴヤクが原因

つづく

5 ■若者にデマを広めないために (つづき)

つづき
<デマを証明します>
ウソだと言えない日本人  国民のニーズ 高齢バイアス
http://megalodon.jp/2010-0224-1552-02/messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1835594&tid=0kfa3a4dfa4ia4j&sid=1835594&mid=2647
解説↓
NHK番組の問題点  [簡潔版] V9
http://megalodon.jp/2009-1213-1807-44/messages.yahoo.co.jp/bbs?action=5&board=1835594&tid=0kfa3a4dfa4ia4j&sid=1835594&mid=2585

■「芸術点」は存在しない。 ←誤訳ゴヤクです。
art=ワザ
「美しさって何? 美容じゃないの?」  (アート誤訳まとめ4)(ニコ百)
http://megalodon.jp/2010-0325-0334-01/messages.yahoo.co.jp/bbs?action=5&board=1835594&tid=0kfa3a4dfa4ia4j&sid=1835594&mid=2692
<よくある質問> 差別してもいいですか?
http://megalodon.jp/2010-0308-0402-42/messages.yahoo.co.jp/bbs?action=5&board=1835594&tid=0kfa3a4dfa4ia4j&sid=1835594&mid=2675

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↑ここまで全体をコピペ↑

6 ■伊藤みどりさんの3A

何度かブログでもお話しさせていただいているのですが、私がフィギュアスケートにのめり込むきっかけになったのは、伊藤みどりさんの存在だったのです。
当時はジャンプの見分け方も分からなかったのに、みどりさんの3Aを見て、ものすごいジャンプを跳んでいる!ということだけは分かったのです。
「トリプルアクセル」ってなんだろう?ジャンプに何か違いがあるの?そう思いだしたことが、きっかけでした。
何も分からない素人が、1人のスケーターのどでかいジャンプに心惹かれた。それくらい輝きを放っていました。
伝説の、89ワールドの怒涛のジャンプ構成。今の現役フィギュア選手の中でこの構成に挑める選手はどれくらいいるでしょう…。
私の中の、No.1ジャンパーは伊藤みどりさん。これだけは未だずーっと変わっていません(^-^)

7 ■凄いの一言

真の天才ですね~。当時は子供でよく覚えてなかった演技もありましたが動画って本当便利ですよね。
こうして振り返って見ると次元が違う・・・

何がどうしてあの高さがでるんでしょ!?
スピードも凄まじい・・・(゜д゜;)

後半は身体の表現もずいぶん変化してますね!
周りには未だに「ジャンプだけ」とか「ゴム鞠」だなんて言ってる人が多いんですが(-_-メ
マスコミの影響でしょうか?だとしたら罪ですね

8 ■本当に凄い!

私はリアルタイムで見ていましたが、どうしても「ジャンプだけ」と見られがちだttので、私もそのように見ていました。3Aが凄いのはわかったけど、それ以外の3回転ジャンプの跳び分けがどれだけ難しいかもわからずに・・・。

伊藤選手はコンパルソリーに泣かされましたね。後は表現力となると、あの頃の日本人はまだ体型が欧米人に比べると見劣りし、それだけでも損をしていた気がします。

しかし、ジャンプの高さ、質、2Aなんて助走が短いから「えっ?いつの間に跳んだの?」って感じで。いやいや、凄かったんですね~。

9 ■「踏み絵」を踏んでから、お話ください。

筆者のairsdeparisさん、および皆さまへ。
申し訳ございませんが、デマを助長する記述はご遠慮お願いします。

・「踏み絵」を踏んでから、お話ください。先に。↓
若者にデマを広めないために
http://megalodon.jp/2010-0517-1119-47/messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1835594&tid=a5ua5a3a5aea5ea5a2bdwbbram9ga5ha5ta1za5ja5ka5ea1bca5a2a5k&sid=1835594&mid=6775

・踏み絵を踏めない人や、ウソにウソだと言えない人、=【反社会的】な人は、
 公開の発言をご遠慮ください。

ご協力お願いします。
(えりこ・バーンズさん、ありがとうございました)

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おまけ
(URLリンク先を熟読)
・「芸術点」は存在しません。誤訳です。(しかもデマの原因です)。
・「コンパル点(滑走順)」の記述なしで、
 「主観点(芸点)」を書くのは、ご遠慮ください。
 なぜなら、両者は連動するからです。 (しかもデマの原因です)。
・これは間違いです。↓
 「表現力向上のせいで、主観点(芸点)が向上」。
 なぜなら、主観点向上の原因は、単に、「滑走順」が有利になったためなので。
・伊藤は若い頃から、
 エコヒイキと思われるほど、主観点(芸点)が高いです。(URLリンク先を熟読)。

おまけは以上。(URLリンク先を熟読)。
では、ご協力お願いします。

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