広島市中区胡町の福屋八丁堀本店8階の映画館跡地に、映画館「サロンシネマ」が新館を開設することが31日、分かった。11月に2スクリーンでのオープンを目指す。閉館した映画館を復活させて市中心部の映画館空洞化に歯止めをかけ、にぎわいづくりにつなげるのが狙い。
2008年4月に閉館した松竹東洋座(342席)と広島名画座(150席)の跡地。計画では全面改装の上、約200席と約70席の映画館「シネツイン八丁堀(仮称)」を設ける。サロンシネマ系列の従来館同様、座席を広めにし、くつろげるよう工夫。3D上映への対応も検討し、従来のアート系に限らず話題作を含めて幅広い作品を扱う。
蔵本順子社長(59)は「市中心部から映画の灯を消したくない。広島が文化都市であり続けるには、街の真ん中であらゆる映画が見られなければ」と強調。「映画館復活を市のにぎわいにもつなげたい」と話す。昨年始まった国際短編映画祭「ダマー映画祭inヒロシマ」の会場にも予定する。
1997年の郊外型シネコンの進出以来、広島市中心部の映画館は広島朝日会館や広島スカラ座、広島東映・広島ルーブルなどの閉館が相次ぎ、残っているのは広島宝塚とサロンシネマ系列だけ。
【写真説明】「TOYOZA・MEIGAZA」の看板が残る福屋八丁堀本店。8階の映画館跡地にサロンシネマが新館を開設する
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