PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

中途半端な、自分に関する情報の中で溺れて訳が分からなくなる事


主題テーマ:施設育ちが「情報」を整理する事の難しさ

「アリスさん」を一言で表現すると、質の良くない情報が多すぎてどれが彼女にとって意味のある情報なのか整理できていないという印象をもった。書いては消し、書いては消し、それはまるで情報が浮き上がってきては又これも違うと、メモをゴミ箱へ捨てているように見える。

 どれが彼女にとって採用すべき情報なのか、取捨選択しなくてはいけないと思うが、その前に彼女の価値観と一緒くたになっている基礎データがどこから始まったかを考えた方がいいのではないかと思った。

 わたしも又、彼女との会話で「情報」については色々考えさせられた過去を思い出した。 
 
 施設職員が他の子の出生の秘密をなぜかわたしへリークする事が多かった。職員が写真まで見せながら、その子が誰か金融界の大物?の隠し子(内容を一部変更してます)である事を言われた、その時のリアクションは覚えていないが、この職員は守秘義務などどこ吹く風だった。
 
 でもその事実を当の本人は知っているのか知らないのか、それは分からなかった。

 それでいながらわたし個人の情報については何も教えない。本人に本人の情報を教えず、他人の情報はリークする。もしかしたらわたしの情報は他の子が握っているのかもしれない。こういうのを情報の共有というのだろうか。
 
 だから施設の中というのは常に「うわさ」が立ち易い場所でもあった。閉じられた空間の中で口から口へとある事ない事が尾ひれを付けて広がる事もある。

 自分が知らない事を、周囲の子からからかわれ「おい!○チガイの子」と言われたりする。やっと大人になってから血縁親が精神科に行っていた事を知ったりもする。だからアリスさんも自分に関わるうわさが学園の中を駆け巡り、そのたびにからかわれたり、ある事ない事を言われたりして、心を痛めた事があるのかもしれない。
 
 そこでアリスさんの価値観は、どこで身に付いたかを考えてみたら施設内で身に付いた筈なのだ。でもどこか家庭の人の持ちそうな感覚でもあるように見える。不思議な価値観、感覚だと思う。

 生まれてきてごめんなさい 

 わたしはアリスさんの期待にこたえられない。生き物として生まれてきた瞬間から自力で生きてたので、誰かに気遣うかのような、生まれてきてごめんなさいという思考はない。謝るべき対象者がいるのだろうか?アリスさんには。施設だけで育てられていれば謝罪すべき対象者は浮かばないし、謝罪を要求された事もない。

 大きな顔で生きている 

 大きいも小さいもなく、当然自分で自分を支えながら生きてきた。それを大きい顔だとアリスさんにいい続ける人がいたのだろうか。と思わせるような発想だと思った。

 生理的嫌悪 

 もともと施設の子は周辺地域からも生理的に嫌われてるのでいちいち他人の生理的嫌悪につきあっていられない。嫌なら付き合わない自由がある。この国はそういう部分は自由の国じゃなかったか。アリスさんが里親になる道を生理的嫌悪感の為だとわざわざ言うのは何故なのか理解できない。自分が性的虐待の被害者である事と望まぬ妊娠の末生まれた子とは、別に論じられてほしい。同列に扱うものではないと思う。

 親の定義 

 アリスさんにとって、乳児院から施設へ委託されても会いに来たのはどっちの親なのか。里親なのか、実親なのか。里親に対する気持ちと実親へ対する気持ちがごちゃ混ぜになっていないかどうか。

 施設出身者同士 

 もう施設出身者同士という枠組みはやめた方がいいと思う。わたしはアリスさんの気持ちは理解できないし、発想も違う。でもアリスさんが全て間違っているという事じゃなく、違うとしか言い様がない。施設育ちだからといっても、違う感覚を持っている者同士。やっとネットで同じような境遇の人を見つけたと思うのかもしれないが、わたしは話せば話す程、感覚的に遠いと思った。

 【追記】

 色んな事を書いてしまったが、これが最後。もうあなたに関しては距離を持って静かに読ませてもらいたい。わたしはあなたの気持ちに沿えない。結局、あなたはそこまで無愛着児童ではなかったという印象を強く持っている。その点、ちゃんと周囲の人間との絆を大事にしてもらいたい。

 元気で。

|  整理中の課題&記事 | 10時25分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑














http://escapeorgoodfight.blog85.fc2.com/tb.php/107-884c8117

PREV | PAGE-SELECT | NEXT