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露の海賊“漂流刑”に批判 殺害のつじつま合わせ? 議論呼ぶ (1/2ページ)

2010.5.31 18:39
このニュースのトピックスロシア・CIS

 ロシア海軍が5月初め、アフリカ・ソマリア沖で海賊に乗っ取られたタンカーを解放した際、拘束した海賊10人をゴムボートに放置し、死に至らせたとみられることが明らかになった。国防省が「海賊を裁く国際法の不備」を理由に“漂流刑”を正当化したのに対し、専門家からは「法的にも人道的にも問題だった」と反論が出ている。ソマリアの海賊が国際的な脅威となり、各国艦船が取り締まりを強化している中で議論を呼ぶ事例となりそうだ。(モスクワ 遠藤良介)

 問題となっているのはリベリア船籍の大型タンカー「モスクワ大学」(10万6474トン)の解放作戦。露海軍は5月6日、大型対潜哨戒艇を現地に急派し、ソマリア海賊1人を射殺、10人を拘束してロシア人乗組員23人を救出した。検察当局は当初、拘束した海賊らをモスクワに移送する考えを示した。

 海軍はしかし、海賊から武器を没収した上でゴムボートに乗せ、沿岸から約600キロの沖合で“釈放”。国防省はその後、ボートの発する信号が1時間後にレーダーから消え、海賊らは「死亡したとみられる」と発表した。飲料水や食糧は与えたとしているが、ボートの測位システムは取り外してあったという。

 国防省はこの措置について「海賊の責任を問う国際法的な根拠がなく、海賊の国籍を確認することもできないため」と説明。政府機関紙ロシア新聞は(1)殺害が目的なら今回のような方法を取る必要はない(2)イエメンやスーダンなどの沿岸国は海賊引き取りに消極的だ(3)事件は公海上で発生し、ロシア船籍でなかった−と海軍の行動を擁護した。

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