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こけし、ブーム再来の予感… 「ガイドブック」が人気

売れ行き好調のこけしの入門書「Kokeshi book」

 福島市の「原郷のこけし群 西田記念館」の収蔵品を基にした、こけしの入門書「Kokeshi book」(青幻舎)の売れ行きが好調だ。4月に発売した初版4000部は20日間で完売し、増刷中。こけしブームの再来を期待する声も出ている。
 「Kokeshi book」は縦横16.5センチのサイズ。オールカラー144ページで、土湯、遠刈田など東北地方の伝統こけし11系統の作品や特徴を豊富な写真で詳しく紹介している。工人の作風の違いを分かりやすく説明。貴重な戦前のこけしや木地玩具も幅広く掲載した。
 工房のルポや工人の住所録、イラスト入りのこけしの買い方など充実した内容。本の帯に漫画家のさくらももこさんが自身のコレクションの写真とともに推薦文を寄せ「かわいいつもりなのにおもしろいカオがズラリ。こけしの味わいは尽きません」と記した。
 企画・編集した東京都在住のデザイナー軸原ヨウスケさんは岡山県出身。「たまたま骨董(こっとう)品屋で巡り合ったこけしに魅せられた。素晴らしい地域資源だが当たり前の存在で、地元は見過ごしがちだったのでは。素朴なのにカラフルでポップ。世界に通用する芸術」と評価する。
 軸原さんによると、こけしは1960年代までの第2次ブーム以降、目立った動きはなかったが最近、首都圏の若者の間でブームの兆しがあり、フランスなど海外でも注目度が高まっている。一方でガイドブック的な本がなかったという。
 全面協力した西田記念館は約1万3000本のこけしを収蔵し、国内でも珍しいこけし専門の学芸員もいる。運営する東邦銀行文化財団の木下光広事務局長は「若者の入場が少しずつ増えており、タイミングのいい出版だ」と話す。
 「若いこけしマニアが増えれば、後継者難の工人も若返る。本をそのきっかけにしたい」と軸原さん。「Kokeshi book」は1680円。一般の書店で注文できる。西田記念館でも在庫があり販売している。


2010年05月31日月曜日

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