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【虐待はどんな傷を残すのか】(4)「ママが来る! 怒られる!」夜泣きする子供たち 矛盾噴出の児童養護施設 (3/3ページ)

2010.5.25 17:30
このニュースのトピックス児童虐待を考える
北関東の児童養護施設の夜。子供たちは宿題と格闘中北関東の児童養護施設の夜。子供たちは宿題と格闘中

施設内で虐待

 子供たちがようやく寝静まった午前0時、男性職員(38)が児童の洗濯物を一枚一枚たたんでいた。

 児童養護施設は慢性的な人手不足だが、国の職員配置基準は昭和54年から31年間変わっていない。職員は「宿直は私1人。夜泣きする子供たちを寝かしつけるころには、空が明るくなっている。虐待による深い傷を負った子供一人一人に適切なケアをするには、あまりに不十分だと思う」。

 一方、施設職員が子供を虐待する「施設内虐待」は全国で年間十数件が報告されている。中部地方の県立病院に勤めるベテラン医師によると、中規模の児童養護施設で数年前、子供同士の性的虐待があった。調査したところ、35人ほどの入所児童で被害も加害もなかったのは2人だけだった。

 医師は「相関図を作ると男児から男児、男児から女児、女児から女児、女児から男児とすべての組み合わせの加害行為があった」。性的虐待を受けた子供が適切なケアを受けないまま入所してきて、その子供から加害が連鎖したという。

 都内の児童養護施設で施設長を務める黒田邦夫さん(57)は「かつて孤児院と呼ばれた児童養護施設はそもそも虐待の傷を癒やす専門施設ではない。その矛盾が今、さまざまな面で噴き出している」と話す。

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