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【虐待はどんな傷を残すのか】(4)「ママが来る! 怒られる!」夜泣きする子供たち 矛盾噴出の児童養護施設 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:児童虐待を考える
足りない受け皿
厚生労働省によると、児童養護施設などの施設や里親のもとで暮らす「社会的養護」を受けている子供は平成20年の調査で4万1602人。昭和36年以来47年ぶりに4万人を超えた。
昭和30年代までは戦災孤児や経済的な理由で施設へ来る子供が大半だったが、平成20年の調査では全体の50・9%が「虐待を受けた経験がある」と答えた。
虐待の急増に受け皿が追いつかず、都市部を中心に施設は満員状態になっている。北関東のこの施設も東京都から委託を受け、41人全員が都内の子供だった。
小学6年の石川翔太君(11)=同=は実父から身体的虐待を受け、幼稚園の年長組だった5歳のときにこの施設へ来た。今も頭部に無数の傷跡が残る。
足立区から来たといい、「東京、遠いね」とぽつり。家に帰りたいか尋ねると、「帰りたくない。パパが怖いから」と答えた。
「施設は遊びも勉強も楽しいけれど、叩(たた)かれたことは忘れることはできない。たまに思いだす。自分がいらいらしたとき思いだす」
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