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【虐待はどんな傷を残すのか】(4)「ママが来る! 怒られる!」夜泣きする子供たち 矛盾噴出の児童養護施設 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:児童虐待を考える
真っ暗な板張り廊下に幼子の泣き声が響いていた。北関東の田園地帯にある児童養護施設。午後11時、幼稚園児の森田優斗君(5)=仮名=は怖い夢を見たのか大声を上げながら廊下へ出てきた。
「大丈夫」。泣き声を耳にして4人部屋から起きてきた中学3年の少女(14)が小さな肩を抱き寄せ、あやした。優斗君は3人部屋へ戻り、やがて静かな寝息が聞こえてきた。
この施設では5歳から18歳までの41人が共同生活を送っている。男性施設長(56)によれば、その7割は親の虐待から保護された子供たちという。
優斗君は継父による心理的虐待を受けた。「お前なんかいらない」「なんでウチにいるんだ」…。心身の発達が遅れがちで、幼い顔つきは年長組には見えない。最近実母から電話があったものの、「もう切っていい?」とそっけなかった。
小学1年の男児(6)も最近まで夜泣きがやまなかった。実母から身体的虐待を受けた経験を持ち、夜、泣きながらこう叫んで職員にしがみついてきたという。
「ママが来る!」
「ママに怒られる!」
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