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【虐待はどんな傷を残すのか】(3)“犬小屋”に2児を監禁1年半 「究極のネグレクト」回復の鍵は「愛着」 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:児童虐待を考える
人間は変われる
「この姉と弟ほどまでは重度でないものの、似たような子供は今、施設の中にごっそりいます」
「子どもの虹情報研修センター」の増沢高研修部長(48)はこう話す。
食べ物をかみ砕く体験がなくサバの煮つけを丸のみする女の子。食事がハンバーガーばかりで濃い味つけを好み、調味料をどっさりかける男の子。トイレ以外の場所で平気で排泄し、お尻をふかない子供たち…。ネグレクトの結果、基本的な生活習慣さえ身についていない子供が目立つという。
増沢さんは「この家庭環境は何? この成育状況は何? という子供は少なくない。だが、愛着は親とだけでなく施設の保育士や里親とも結び直せる。人間は変われる。そのことをこの姉と弟は証明している」。
姉は現在、3児の母。弟はサラリーマンで1児の父という。内田さんは2人のことを講義で伝えている。女子学生は感想をこうつづった。
《異常な環境で育てられたにもかかわらず回復していく様子は見事としか言いようがありません。今、救出後にしっかりと面倒を見てもらえる子はどれほどいるのでしょうか。救出されずに今も虐待されている子、救出されたものの適切な治療を受けられない子のことを考えると胸が痛みます》
入所する子供の7割が被虐待児という児童養護施設を訪ねた。
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