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【虐待はどんな傷を残すのか】(2)「お母さん!」と絵は叫ぶ 海渡君が遺した「クマの母子」 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:児童虐待を考える
親に愛してほしい
絵画療法に詳しい目白大学の田中勝博教授(57)=臨床心理学=は「子供は言葉で表せないため、絵で示す。児童相談所で保護された子供が、自身がもう安全なのだと安心し、抑えていた感情を絵であふれさせることはよくある」とし、海渡君のクマの絵についてはこう述べた。
「クマの母子は仲よく寄り添っている。母親の愛情を求めているように見える。親に愛してほしい。それが亡くなった子供の願望だったのだろう」
親に愛されたいと思う気持ち。それは子供の本能といってもいいだろう。その思いがかなわず、逆の仕打ちを受けたとしたら…。
東京都の会社員、松本めぐみさん(32)=仮名=は地方都市で過ごした少女時代、実母からしつけと称して日常的に身体的、心理的虐待を受けた。
何をやっても決して褒められなかった。ほうきで叩(たた)かれ、尻はあざだらけだった。
「どんなに叩かれても母からの愛情をあきらめなかった。あきらめられなかった。求めても得られなかった愛情は、次第に色を変え黒くにじみ、心に影を落としていった」
高校時代に恋愛し、恋人に依存した。それでも満たされず、売春まがいのこともしたという。
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