MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]

ニュース:事件 犯罪・疑惑事故・災害裁判写真RSS feed

  • メール
  • メッセ
  • 印刷

【虐待はどんな傷を残すのか】(1)親から認められぬ子供 「自分の存在価値が分からない」 (1/3ページ)

2010.5.22 17:30
このニュースのトピックス児童虐待を考える
虐待を受けた経験を持つ南裕子さん(仮名)。こうした若い世代が把握されただけでも数十万人、社会の中で暮らしている=東京都内虐待を受けた経験を持つ南裕子さん(仮名)。こうした若い世代が把握されただけでも数十万人、社会の中で暮らしている=東京都内

 「僕のこと、ふつうに見えますか」

 長身で色白の青年は、統合失調症による精神障害者手帳を持っていた。さいたま市のカラオケ店員、山口拓也さん(19)=仮名。小学5年のときに実母(45)が再婚、継父(43)から身体的虐待を受け、市内の児童養護施設で育った。

 「夕食を食べるのが遅かったので、テーブルに時計を置かれ、30分以内に食べないと殴られた。猫背や、つめをかむ癖も『直せ』といって殴られた。1発、2発ではなく、のしかかられて腕を押さえつけられ、顔だけを殴られたり、木の棒で頭を殴られたりした」

 継父は「大きくなれ」といって食事を吐くまで食べさせた。食べきれず吐き出すと、吐いた物を再び食べさせられた。コンクリート製のベランダで深夜まで正座させられ、生卵5、6個の一気飲みを強いられた。

 中学1年のとき、木刀を手に追いかけられた。裸足(はだし)で外へ逃げたら偶然、家庭科の女の先生に会った。「親に裸足で走れといわれた」とごまかしたが、先生は自宅を見に来てくれ、警察を通じて児童相談所へ通報が行った。

 「施設へ入ったら、不眠と幻聴が始まった。ひそひそ話が聞こえ、幻覚が見えた。情緒不安定のため県立高校を2年で中退し、定時制に入り直したけれど続かなかった。今も通院中で薬を6種類飲んでいます」

このニュースの写真

虐待を受けた経験を持つ南裕子さん(仮名)。こうした若い世代が把握されただけでも数十万人、社会の中で暮らしている=東京都内

関連トピックス

PR

PR
PR
イザ!SANSPO.COMZAKZAKSankeiBizSANKEI EXPRESS
Copyright 2010 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。