[PR]
ニュース:事件 RSS feed
【虐待はどんな傷を残すのか】(1)親から認められぬ子供 「自分の存在価値が分からない」 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:児童虐待を考える
「僕のこと、ふつうに見えますか」
長身で色白の青年は、統合失調症による精神障害者手帳を持っていた。さいたま市のカラオケ店員、山口拓也さん(19)=仮名。小学5年のときに実母(45)が再婚、継父(43)から身体的虐待を受け、市内の児童養護施設で育った。
「夕食を食べるのが遅かったので、テーブルに時計を置かれ、30分以内に食べないと殴られた。猫背や、つめをかむ癖も『直せ』といって殴られた。1発、2発ではなく、のしかかられて腕を押さえつけられ、顔だけを殴られたり、木の棒で頭を殴られたりした」
継父は「大きくなれ」といって食事を吐くまで食べさせた。食べきれず吐き出すと、吐いた物を再び食べさせられた。コンクリート製のベランダで深夜まで正座させられ、生卵5、6個の一気飲みを強いられた。
中学1年のとき、木刀を手に追いかけられた。裸足(はだし)で外へ逃げたら偶然、家庭科の女の先生に会った。「親に裸足で走れといわれた」とごまかしたが、先生は自宅を見に来てくれ、警察を通じて児童相談所へ通報が行った。
「施設へ入ったら、不眠と幻聴が始まった。ひそひそ話が聞こえ、幻覚が見えた。情緒不安定のため県立高校を2年で中退し、定時制に入り直したけれど続かなかった。今も通院中で薬を6種類飲んでいます」
このニュースの写真
関連ニュース
- 【虐待はどんな傷を残すのか】(2)「お母さん!」と絵は叫ぶ 海渡君が遺した「クマの母子」
- 【虐待はどんな傷を残すのか】(3)“犬小屋”に2児を監禁1年半 「究極のネグレクト」回復の鍵は「愛着」
- 【虐待はどんな傷を残すのか】(4)「ママが来る! 怒られる!」夜泣きする子供たち 矛盾噴出の児童養護施設
- 【虐待はどんな傷を残すのか】(5)慢性トラウマ、脳に影響 性的虐待の8割に解離性障害「今、手を打たねば」
- 【虐待はどんな傷を残すのか】「私はサンドバッグ…気絶するほど殴られた」「ささいな言葉が救いに」 読者の反響次々
- 【なぜわが子を傷つけるのか】(1)息子の目は鬼でも見るかのようだった…止まらぬ虐待
- 【なぜわが子を傷つけるのか】(3)泣き叫ぶ姿「面白い」 子供で遊ぶ「ペット虐待」親たち
- 【なぜわが子を傷つけるのか】(4)小さな体はミイラのようだった…ネグレクトの果てに
- 【なぜわが子を傷つけるのか】(5)子供、地域で支えて 躊躇しない態勢作り
- 【なぜわが子を傷つけるのか】「男性のサポート絶対必要」「常軌逸した親、理解できぬ」…読者の反響続々