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移転完了、最大5年遅れ 米、7月にグアム整備計画 '10/6/1

 【ワシントン共同=杉田雄心】米政府が在沖縄海兵隊の移転先となる米領グアムのインフラ整備不足を解消するため、7月に最大数十億ドル規模の整備計画をまとめる方針を固めたことが31日、分かった。これを受け、日米両政府は移転完了期限を2014年から3〜5年延長する方向で本格的な検討に入った。米政府当局者や日米関係筋が明らかにした。

 海兵隊約8千人のグアム移転は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設と不可分と日米合意で規定される。移転完了の大きな遅れは、日米両政府が8月までに位置や工法を詰める普天間移設の代替施設計画にも影響しそうだ。

 米環境保護局(EPA)の担当責任者によると、EPAは2月に急激な人口増加にインフラが追いつかないと指摘。深刻な上下水道の整備不足などに対し、国防総省とEPAが最近になり具体的な対策でほぼ合意した。関係筋によると、流入人口の抑制も含まれる。財源などを詰めた上で7月に整備計画をまとめる。

 同計画は14年までの解決を前提にする予定だが、別の関係筋は米政府の財政逼迫ひっぱくに加え、実際の施設建設の遅れやグアム側の強い期限延長要求を踏まえ「米議会が14年までに十分な資金を手当てするのは難しい」との見通しを示した。

 EPAは2月に国防総省に提出した書面で海兵隊グアム移転について、軍施設の建設作業員を含めて最大7万9千人が流入し、現在の人口(約18万人)から約45%増加すると指摘。昨年11月に同省が提出した環境影響評価書案は「2万3千人の人口増しか想定していない」と批判した。

 グアムではカマチョ知事らが移設計画を受け入れながら、インフラ不足が市民生活に与える影響を懸念し、完了期限の延長を求めている。




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