鳩山首相:今夕にも進退協議…閣僚からは擁護論

2010年6月1日 11時34分 更新:6月1日 13時4分

かりゆしウエアで閣議に向かう鳩山首相=首相官邸で2010年6月1日午前7時24分、西本勝撮影
かりゆしウエアで閣議に向かう鳩山首相=首相官邸で2010年6月1日午前7時24分、西本勝撮影

 鳩山由紀夫首相は1日朝、民主党内で強まる退陣論に関し「(小沢一郎幹事長と)しっかり協議、協力して国難に立ち向かう。国民の暮らしに何がベストかを考えながら、新政権にふさわしい形でこれからも行動したい」と述べ、続投に重ねて意欲を示した。公邸前で記者団に語った。同日午前の閣議後会見では、閣僚から首相を支持する発言が相次ぎ、党側の動きをけん制。首相は同日午後にも小沢氏、輿石東参院議員会長と再会談し、進退問題も含めた政権運営について協議する方針で、政局は緊迫した状況が続いている。

 連立を組む国民新党代表の亀井静香金融・郵政担当相は31日夜から1日未明にかけ、鳩山首相に2回にわたって電話し「あなたが代わっても、状況が変わるわけではない」と激励した。与党関係者が1日明らかにした。首相は「頑張ります」と応じたという。

 亀井氏は閣議後会見で「首相は粛々と日本の大変な状況に取り組んでいる。私も全力でそれを支える。おそらく民主党もそうだろう」と民主党内の情勢を皮肉った上で「(民主党は)衆院選で大変な国民の支持を得た。自信を持って鳩山首相を支えてもらいたい」と求めた。亀井氏は1日中に小沢氏と会談し、首相続投を支持する考えを伝える意向だ。

 平野博文官房長官は会見で「『首相の進退』なんて言葉が飛び交うこと自身が、おかしなことだ」と不快感を表明。原口一博総務相は「(国政選挙を)戦えるか、という問題設定でリーダーを1年おきに代えてきた(自公政権から続く)構造を変えねば、同じところを堂々巡りする。首相を支えて勝ち抜くことが大事だ」と擁護した。

 菅直人副総理兼財務相は「(衆院議員の)任期いっぱい4年間、首相をしっかり務めていただきたいとの気持ちは今でも変わってない」と強調。仙谷由人国家戦略担当相も「(首相が)代わることはまったく想定していない」と語った。一方、前原誠司国土交通相は「普天間に象徴される首相のリーダーシップの問題、(首相と小沢氏の)2トップの政治とカネの問題で極めて大きく支持率が下がっているのは事実」と指摘したが「首相には反省すべきところは反省してもらい、頑張ってもらいたい」と続投を支持した。

 夏の参院選で改選を迎える閣僚も退陣論に同調しなかった。千葉景子法相(神奈川選挙区)は「(退陣しても)今後どうするか見えない。この内閣で引き続き努力する方が今は良いだろうと思っている」と話した。直嶋正行経済産業相(比例代表)は「鳩山内閣としてさらに努力することが今重要ではないか」と指摘。北沢俊美防衛相(長野選挙区)も「それぞれのリーダーシップの取り方だ。(退陣論が)どんなふうに出ているかすら知らない」と語った。【田中成之】

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