同僚も夕方近くなると、
「お子さんを迎えにいく時間だよね。帰っていいですよ」
と話しかけてくれ、無理させない配慮を管理職が徹底してくれているようでした。
深夜まで働く独身女性は
子どもがいる女性より損!?
ところが、こうしたワーキングマザーへの配慮を苦々しく感じている社員もいました。Pさんと同期入社し、同じように苦楽をともにしてきた独身の女性社員Qさんです。Qさんは、引き続き営業職で夜まで仕事に追われ、深夜まで残業が及ぶこともあるようです。
実は、Pさんが産休に入る前までは2人は同じ職場で営業をしていた仲間同士。入社当時は厳しい上司のもとで泣きながら営業の基本を叩き込まれ、社内ではベスト10に登場するくらい優秀な営業に成長しました。そんなライバル同士の一方が突然に結婚・出産して、営業から離れていってしまったのです。
復帰したPさんが配属されたのは、管理部門で出社は10時、そして16時には退社する時間限定のワークスタイルでした。当然ながら営業で外出の多いQさんとの接触は皆無に近い状態。ときおりQさんがPさんを職場で見かけると、同僚から腫れ物にさわるくらいに大事に扱われている様子でした。
「大丈夫?無理しないで帰っていいから」
などと、やさしく上司も接しています。Qさんは職場に戻れば上司から厳しくダメだしされ、夜遅くまで作業が続きます。
「同じ社員なにの、この扱いの違いは何?」
帰宅する車中、Pさんとの差を比較してみると営業部門で苦労している自分が損している気になってきたようです。
ワーキングマザーの優遇が気に入らない
独身女性社員の不満が爆発!
一方のPさんは、管理部門で売上管理や営業販促のツールを作成するのが現在のミッションです。産休中にPCスキルを向上させていたので、職場でも貴重な戦力として活躍。しかも営業経験が豊富なので的確な販促ツールを作成して営業現場からも高い評価を受けていました。
ところが、そんな活躍を知らないQさんは、Pさんに仕事のやり方について文句や不満をぶつけてきました。