ただし、パートナーに転勤の可能性が低い場合は、結婚後も同じように仕事をする女性は少なくありません。それにパートナーも
「君の好きなように仕事を頑張ってくれればいい」
と考える人が増えています。
取材したあるメーカーに勤務する男性社員Dさんは、結婚して3年目。奥様は出版社に勤務中。お互いのやりたいことを尊重するべきと家事も役割分担しています。実際、結婚後も奥様はバリバリと職場で仕事をされていました。このように、結婚後も仕事をするスタンスを変えない女性は増えているようです。
出産後も常勤正社員の女性が増加
徹底した周りの配慮も背景に
ところが、出産となると話が変わります。産休をとり、育児をするのですから、職場から1~3年は離れることになります。その間に職場も仕事内容も変化します。さらに本人も育児を経験することによって、働くことに対する価値観に以前との違いが生じてきます。
ちなみに育児がひと段落して再び就業する際には、フルタイムの常勤ではなくアルバイト・パートとして働く女性の比率が増えています。厚生労働省による『第7回21世紀出生児縦断調査』(平成21年)によると、出産1年前に「常勤」だった女性が出産後に常勤で就業する割合は約4割。この割合は5年前と大きな変化はありません。ところが、5年前には僅かであったアルバイト・パートについては、現在約3割になっています。
さて、話を本論に戻しましょう。こうして結婚、出産、育児を経て、常勤の正社員で仕事をする女性は大企業ではむしろ増加傾向です。女性の職場での活躍を推進する活動をCSRに掲げる企業も増えており、育児がひと段落した女性社員に復帰を奨励しているからです。その結果として職場に託児所を設置したり、育児休暇を延長したり、家事支援するなどワーキングマザーにやさしい会社が増えてきました。もちろん大手企業が中心に話ですが、こうした取り組みのよって育児との両立ができるようになりつつあります。
そんな家族と育児と仕事を両立させて頑張るワーキングマザーに職場はどのように接するのでしょうか?インタビューしてみると、上司や同僚からの配慮で心地よく仕事している女性が大半でした。
「子供を幼稚園に送って、迎えに行かなければならないので時間制限があります。でも、理解いただき充実した日々を過ごしています」
そう答えてくれたのは派遣会社に勤めているPさん。以前はお客様を訪問して仕事をとってくる営業職でしたが、出産して復帰した後は管理部門に配属されて仕事をしていました。このように産休明けに活躍できる職場がみつかって活躍しているワーキングマザーは増えていました。