きょうのコラム「時鐘」 2010年6月1日

 衣替えの季節に入った。普天間問題は「5月末決着」にほど遠く、鳩山降ろしの声が公然と上がり始めた。内閣支持率は20%を割った。政界も「衣替え」が取りざたされる6月入りである

選挙の際の比例投票先で民主党が自民党の下になった。「これでは選挙は戦えない」との民主党議員の声が切実味を増している。参院選挙公示は24日の想定である。民主党が新しい顔で選挙を戦うなら今週中に片付けないと間に合わない

ところが、鳩山さんにその気はまったくない。指導力、判断力、決断力がない、最も欠けているのは常識力だとマスコミ各社にこき下ろされた首相だが、粘着力はあるようだ。何が起きても不思議ではない月の始まりであり、今週がヤマ場とも言う

週末から、金沢では百万石まつりが始まる。元々、神様をまつる「祭り」と、神に祈って政道をつかさどる「政(まつりごと)」は同じものだった。政は「祭り事」とも書き、戦いの前には勝利を祈って生け贄(にえ)をささげる祭りもあった

選挙は政の一大行事である。戦い前にささげる生け贄は何か。果たして波瀾万丈の1週間となるのかどうか。