記憶があるのと無いの境目を「集団養育との絡み」で考える その１
今日は夫との事ではなく、絆相手のWolfとのやりとりで必ず互いに意見がかみ合わない？部分について、整理を必要とするため、どこにポストしようかと思いながら、今回は無愛着と集団養育を題材にしたこの場所へポストしようと思った。
幼い頃の記憶は、どれくらい覚えていたら「まとも」なのか判らない。いや、わたしは「覚えてる断片全て」で十分生きてきたので、記憶がない、記憶がある、とは考えた事が特になかった。
今まで「記憶がない」と自ら自身では言い切れなかったのは、自分が持つ記憶全てで十分記憶を保持していると思っていたからだ。
しかし、Wolfはわたしの記憶を「ない」と断言するので、わたしといつも言い合いになってしまい、それならきちんと整理作業をすべきだと思った。確かに口頭でやりあっていくのも一つの方法、でも、やはりギャラリーを多少意識しながら（透明性？）堂々とやりあう必要も感じる。
いつも誰も知らない言い合いは８年以上続き、今も決着をみない。わたしが虐待を受けてこうなったか、集団養育の結果そうなったかという点のせめぎ合いかもしれない。
とはいえ、職員から数回ぶん殴られた事は断片的記憶として覚えているけれど。それが虐待なら確かにそうだ、と思うけれど・・・。
わたしは、人が記憶を連続で持てないのは、たぶん「集団養育」「コロコロ変わる担当保母」「誰か固定できる人がいない」など、児童養護施設ゆえの理由だと思っている。
しかし彼は、違う何かがあると何度も言うので、わたしは、覚えてないながらにいつも上記の理由で記憶があまり保持できないのだと反論する。
その決着は全くつかない。
彼は、わたしの前に、集団養育をされていないのに、家庭育ちなのに記憶を失ってしまった女性（kさん）について、彼女のトラウマを指摘して、彼女の場合はその通りであった事などから次第に見違えるほどの変貌を遂げ、明るく前向きに歩けるようになり、その話は今は非公開だけれど、記憶を失う事と深いトラウマと反復行動について考える体験記となった。
しかし、
彼はわたしに対しても、トラウマを当てはめようとしているように見える。彼女が家庭で固定された養育者であるのに記憶が保持できないことは異常事態だとわたしも理解できる。
養護施設で育ったわたしの場合は、記憶を保持できない事が異常事態なのかどうかが、今一歩理解が進まない。
固定された養育者がありながら家庭での記憶をなくした女性と、そして養護シセツで複数の養育者の間をたらいまわしになったわたしでは、その記憶の無くなり方は違うのではないかと、わたし個人は思う為、いつも言い合いになる。
わたしは、記憶は連続したものは一つもない。
記憶の持ち方はいつも、そのシーンだけ。その場面だけ。
何故その場面があるのか、前後の記憶がないので、まるで脈絡がつけられない。
又、よく夢は見る。今でも施設の掃除のシーンの夢を見る。それも床をごしごしタワシでこするだけのシーン、まあ夢さえも断片か・・・。しかし起きている時は思い出すことはない。だから、夢と記憶は、自分の中ではうまくかみ合わない。
その夢をデフォルメされた記憶として定義づけるかどうかは迷うものの、楽しいものではない。
Wolfとは、とことんこの部分についてやりあっているのに未だにわたしの言葉は理解できないようだ。わたしはトラウマと記憶の喪失に無理解なのではなく、わたしの場合は、集団養育の問題が絡んでいると思っている。
集団養育された事そのものがトラウマと位置づけるなら、それはそれで分かる気もするが・・・。
人は一体、どれ程覚えていれば「記憶している」と言えるのか、とくに子ども時代の事柄については、いつも悩みが絶えない。
両方の指をあわせて、何となくいくつか覚えてるのなら十分覚えていると思っている。
| 養護施設を出てからの問題 | 11時37分 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑
確かに難しいと思います
過去の記事で http://escapeorgoodfight.blog85.fc2.com/blog-entry-52.html わたしは自ら、愛着障害のカテゴリの中で、無愛着であると気付けていません。ですから、認知が進まない原因でもあるのです。
無愛着の感覚を自覚できたなら、わたしもかなり進歩できた事になるでしょう。でも認知が進まないのは、第三者の評価（絆相手や夫など）を聞いても、自分がどういう風に問題を抱えているか、無愛着なのかあまり自覚できていない点が、自分の課題です。
ただ、感覚をどうにかキーワード化するとしたら、（あえて無愛着であるとカテゴライズするなら）
・人間は星の数ほどいるし、自分も星の数ほどいる中の一つ、
・今、ここに居られるが、いつか又移動するだろう
・スクランブル交差点の中で、誰かとすれ違うだけの感覚。あまりに大勢の人々はあまりに自分とは何の関連もない人々だ。
・今、目の前にいて、何かをわたしにしゃべる人ももうすぐ消えて、自分も消えて、対象者が変わってゆく
・この人たちはわたし達を大事だというけれど、この中の誰を一番大事かという質問に答えられる人はいないだろう
などなど。
キーワードを並べると、上記のようなカンジです。常に移動する、常に目の前の人が変わる、常に人は星の数ほどいる、常にいつか誰かくるかもしれないと、思うが、いざ目の前に現れているのに（今現在、夫やＭａｒｉａやウルフさん）、まだその感覚があり続ける。
という感覚です。感覚を書いているので抽象的なのですが・・・。
夫は家庭育ちなのですが、わたしの上記の感覚は想像すらできないと言いました。親に怒りがあるなら、その感覚は分かるけど、怒る対象者も居ないというのが、想像できないそうです。
>愛したいのに、愛したい相手が、
>それまでの親と違ってしまい、
>それまでの接し方ができなくなってしまった感覚も、
ここはわたしと違ってて興味深いです。誰かを愛した事がない為に、今までの接し方を次の人には応用しません。又、応用するほど、前回の人に心が残っていません。
すぐに相手の雰囲気に「その瞬間だけ」同調してしまい、以前、誰かと接触があったとしても、すぐにもう新しい次の人へ同調してしまいます、そのため「軽い人」だと陰口を言われた事があります。１人の人に固執しない事が通常感覚です。
でも全く反復行動がないわけではありません。以前の人の関わりの影響は残らないけれど、育てられた環境的ルールが、相変わらず命令を下すようなのです。
それをあえて「前の環境の影響を、今の環境にあてめる行動」と言うならば、おそらくその生き方、行動は養護施設時代の、担当がコロコロ替わる生活しか知らない事による、行動の癖が残っていると自己分析しています。しかし、それは人との関わりじゃなく、場所との関わりなので人の愛着関係はありません。
そのような行動に対して、夫と絆相手がいつも怒る事になるようです。しかしそのような行動が問題化する事は施設生活においては表面化しませんでした。
| レイ@lukeさん | 2007/03/06 09:20 | URL | ≫ EDIT