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里親は措置期間が終了した時、里子に自分をどう呼ばせるのか

 家族的役割名称を詐称?

 子どもの頃からの相手への「呼び方」は意外と定着するものだ。メールでお兄さんと呼びかけてしまい、「僕はもう君のお兄さんでもなんでもないので、違う呼び方でよろしい」と言われた事を書いたが、書いていて何だか馬鹿みたいに虚しい。求めてもいない単に口癖になっているだけの呼び方に対して、あちらも愛着でも持たれたかと勘違いして「君のお兄さんではないのだから」と言われてしまう自分ってものについて、今更ながらにあほらしい展開だと思う、苦笑しようにもできない。

 そこでMariaからトラバをもらい、よくよく読んでみると、家族詐称のような印象を自分も持っている事に気づいた。

 わたしの出た養護施設では、家族イメージを定着させるために、職員を家族的役割のような呼び方をしていたと、別の職員が打ち明けてくれた。しかし、その取り組みは失敗したらしく今は「先生」と呼ばせているらしい。わたしは確かめたわけではないが当然の帰結のような気がする。そもそも無理があったのだ。家族ではない役割の「お兄さん」を軽々しく施設で使用すると後で混乱するだろう。 

 今考えると、措置が終われば自動的にお兄さんではなくなり、お姉さんでもなくなり、施設を出たら関係なくなるという将来起こりえる可能性について長期的視野を持って、このような事に取り組んでほしい。

 とくに愛着が形成される一番小さい頃から「お兄さん、お姉さん」と呼ばせ、卒園したら「もう関係ないのだから、呼ばないでくれたまえ?」と言われては、愛着もないくせに条件反射で呼びかけてしまうこっちの方が情けない気分になる。パブロフの犬じゃないのに・・・。
 
 新年度、部屋替えの発表の時、「あたらしいお姉さん、どんな人だろうね」と何気なく言っていたけれど、お姉さんもコロコロ代わるという印象は定着している。「新しいお兄さん、優しいといいね」というのも、ごく普通の施設の子の感覚だった。いつもお兄さんもお姉さんも誰もかれもが、入れ替わる事は前提で生きている。
 
措置終了と呼称問題?
 
 ところでこれは里親もこういう問題を抱えているのだろうか。お父さん、お母さんと呼ばせていて、措置が外れたら苗字で対等で呼び合うのだろうか。口癖になっていたら「もうあなたのお母さんではありません」と言うのだろうか。
 
 養護施設の職員から指摘されたので、頭を掻いておしまいだったが、元里子が元里親にこんな風に言われても同じようなものだろうか、その辺がよくわからない。どちらにしても措置終了で関係性が切れる養護施設の職員と児童と、同じ切れるにしても里親家庭とは又違うものだろうか。

 少しばかり

 こういう環境下で過ごしていた子を里子に迎える場合、里母である自分に何の気持ちも、愛着もないその態度の背景には、こういう育ちを経てきているという見方を一つ加えていただけるとうれしい。

 でも、短時間で結果が見える解決方法はないと思う。全て時間が掛かり、そして効果がすぐに見えない事ばかり。めげるなとは言えないから、めげながらも側に居続けられるよう、そっと里親さんたちを応援する気持ちです・・・。 
 

|  整理中の課題&記事 | 10時24分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑














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