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「家庭育ちの夫との結婚生活」と「施設育ち同士の絆作り」が教えてくれるもの

 ※ 現時点でのわたしのブログの内容は解決策を書いてはいません。言うなればダメ出しの羅列です。なぜならわたしは現実的に解決出来ていない事が多すぎるからです。この時点では、わたしのブログ内容は、無自覚 → 自覚へと移行しつつある状況だと思ってくださると気が楽です、わたしは心理士でもなんでもない、現実の壁にぶち当たってる施設育ちの1人です。だから、施設育ちの代表の声でもありませんが、わたしという人間の本音です、至らない文章です。

 それでも読んで下さる方々ありがとうございます、今年もよろしくお願いします。

 さて。
 
 昨晩夫は「君がどういう育ちをしていても、極端な話、虐待のあるなしも含めて基本的にはどうでもいい」「妻として嫁として必要な事をしてくれるなら何も文句は言わない」と改めて伝えてきた。それはわたしも(今なら)理解できる。結婚した家庭はわたしにとって里親家庭ではない、わたしの回復作業の為の家庭ではないのだという点を踏まえたい。

 彼はボランティアで結婚したわけではない。

 愛着障害や集団養育の問題などは彼の問題ではない、結婚とは大変シビアなものだ、妻が妻となりその役割を担う事ができるかどうかを常に評価されてしまうのだ、それは又、家庭生活を普通に行う為にはけして間違いとは言い切れないと思う。

 彼はわたしに言った。
 
 「育てられ方の問題くらい結婚前に片付けておいてほしかった」「俺にはその手の事(育ちの整理)を教えてやれるノウハウがない」と。

 その結果、同じ施設育ち同士のWolfさん、Mariaと共にソウルファミリー(こころの家族)を作っている最中。この作業を通してわたしは養護施設の記事や、集団養育や、無愛着についての記事を書くエネルギーを蓄えている。

 とはいえ、わたしのリアルは相当2人を悩ませているようだ。自覚していたり、自覚しつつある部分は明文化できるけれど自分が自覚していない事はWolfさんの目を通すと自分ながらに信じられない程の冷血ぶり。これは少しずつ、無愛着な記録として別のブログにUPしていけると思う。夫は里親をやれない、だから、わたし達施設育ちは3人で親をやりあっているという事だ。

 絆や愛着は、大人になり結婚して家庭を持ったからもう理解できる筈という単純なものではなかった、家庭育ちの夫を巻き込んでまで過去を整理しなくては施設育ちの自分は、育ちの問題を骨身に染みて感じる事ができない。単純に離婚すればすむ話だが、たとえそうでも整理作業は必要だと思う。

 養護施設を出て、これから結婚するかどうか考えている最中の、とくに女子の方々には意識しておいてもらいたいけれど家庭生活と施設生活は違う。ほんとに全く家庭の生活には度肝を抜かれると思う。

「自分は施設で育っただけだ、別に施設の影響なんて自分に残ってはいないから、結婚してもやっていけると思うよ・・・」と思うかもしれない。

 でもいざ結婚するとその意識の違い、家庭育ちと施設育ちの思考回路の違いになすすべもない気持ちにさせられるだろう。違う家庭育ち同士のカップルでも大変なのだ、ましてや施設育ちと家庭育ちがどんな問題を抱えてしまうか想像すらできない。

 ただ知っておきたいのは、養護施設で全て育った人々にとっての結婚生活は、適応障害になりかねない波乱含みの毎日であるという事。失敗がそのまま評価に繋がる大人として、当然ながら身に付いている筈の家庭力を期待されて嫁に迎えられるという現実を知ってほしい。若い今「自分が家庭という世界に疎いという現実」を今のうちに知っておいてほしい。

 子どもの最善の利益の為に自分の過去の育てられ方を考えてほしい、とくに女子は子育ての要を担うのだから自分が家庭育ちではないという視点で物事を考えてみてほしい、単に親がいなかっただけでなく、施設という閉鎖的な集団世界で育てられた影響を考えてほしいと思う。愛を知らないという事は愛を伝える事ができない事、根無し草である事は放浪癖がある事、放置されても生き抜いてきたという事は放置する親になるリスクを持っているという事。
 
 わたしもそれらを自分に自覚させる意味で、ネットに点在している目的別ブログに文章を書き続けていきたい。

|  養護施設を出てからの問題 | 12時40分 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

あけましておめでとうございます

 ぞーうさん、書いて下さってありがとうございます。

>血の繋がりを優先する事、
>子どもに子どもらしさを求めてしまう癖、

 今回のぞーうさんの記事を読み、トラックバックを試みたのですが出来ませんでしたので、ここでお返事に変えさせていただきます。子どもらしさについて http://escapeorgoodfight.blog85.fc2.com/blog-entry-26.html に新しい記事をUPしました。わたしも言語化、文章化できない言動が多かったと思います、養護施設を家庭的な、家庭の代わりになる場所として捉えてしまうと、それなのに子どもらしくない子どもなのは何故?と、そこで育てられた子ども本人がおかしいという風な考えに至ってしまうと思います。

 そういう問題を持つ子どもに至るまでの、養護施設という場所について独自視点で書かせていただきました。ぞーうさんの話もいつも率直でストレートで分かりやすいです、又、親側の心の動き、機微、そして家庭の問題まで掘り下げているので、いつも唸りつつ読んでおります、どうもありがとうございます、今年もよろしくお願いします。

| レイ@ぞーうさんへ | 2007/01/09 10:11 | URL | ≫ EDIT

同感です。

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。

>子どもの最善の利益の為に自分の過去の育てられ方を考えてほしい
最近の私自身のテーマです。

血の繋がりを優先する事、
子どもに子どもらしさを求めてしまう癖、

他にもたくさんありますが、知らないうちに親からそう刷り込まれて
育ってきたのだと自覚しました。
学ぶべき事、自分の過去の振り返り…などなど
今年も一年努力していきたいと思います。

※記事にレイさんのブログを紹介させて頂きました。(事後報告ですいません)

| ぞーうさん | 2007/01/09 01:25 | URL | ≫ EDIT














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