普天間飛行場の辺野古付近への移設について
琉球新報社と毎日新聞社は合同で28〜30日、米軍普天間飛行場を名護市辺野古崎地区・隣接水域に移設することで合意した28日の日米共同声明を受け、緊急の県民世論調査を行った。辺野古移設に反対との回答が84%に上り、賛成は6%にとどまった。県内移設反対の根強い県民世論が表れた形で、昨年10月31日〜11月1日に行った調査から反対が17ポイント上昇した。反対した人の半数以上が県外や国外への移設を求め、「無条件撤去」の回答も38%に達した。昨年同調査で63%あった内閣支持率は8%と一けた台の低水準に急落し、鳩山由紀夫首相が「最低でも県外」の公約を破棄したことへの強い批判や不信が表れている。
海兵隊の沖縄駐留は「必要」との回答が15%にとどまり、「必要ない」が71・2%。米軍駐留根拠となっている日米安保条約については「維持すべきだ」との回答が7%と昨年調査の半分以下にまで減少した。
一方で日米安保条約を「平和友好条約に改めるべきだ」との回答が55%と過半数を占めた。「破棄すべき」が14%、「米国を含む多国間安保条約に改めるべきだ」も10%あり、沖縄の基地負担に基づく現行の安保体制への不満が強い。
辺野古移設に「反対」と答えた人に理由を尋ねたところ、国外移設が36%に上り「沖縄以外の国内」に移設すべきだとの回答(16%)を大きく上回った。辺野古以外の県内に移設すべきとの意見は4%だった。
在日米軍専用施設の約74%が沖縄に集中する現状については、整理縮小(50%)と撤去(41%)の意見が全体の9割を占めた。
鳩山内閣の不支持率は78%と8割に迫り、昨年調査の16%から様変わりした。仲井真弘多知事の支持率は57%、不支持は29%。
政党支持率は社民党が10・2%で首位となり、昨年調査から倍増。辺野古移設に反対し、閣僚から罷免された福島瑞穂党首への支持などが表れたとみられる。2位は自民で9・8%。民主は8・6%で昨年調査の29%から大きく減らした。
◆「県民の思い」/稲嶺名護市長
【名護】県民世論調査で84%が辺野古移設に反対したことについて、稲嶺進名護市長は「先の県民大会や名護でも緊急集会を行った。県民の思いがストレートに表現されている」と述べた。昨年11月調査より約15%上がったことには「日米合意に対する県民の反対の意見が、反動として強く出たのではないか」との見方を示した。鳩山内閣の支持率が急落し、社民党が支持率を上げたことについては「党として、政治家としてのまっとうな在り方の違いではないか」と指摘した。
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調査の方法=県内の11市と嘉手納町、読谷村、南風原町の計14市町村に住む有権者を対象に5月28〜30日、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に電話がかかったのが1588件あり、うち1026人から回答を得た。
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