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「光の道」とNTTの構造分離(まとめ) - 松本徹三

一方、NTTと競合関係にある通信事業者の立場からすれば、現在の状況は、「彼等に回線を卸売りしているNTTの『卸売り部門』が、彼等の競争相手であるNTTの『小売部門』と同じ経営の傘下にある」という事なのですから、公正競争の保証は全くないと考えざるを得ません。現実に不公正競争の例証はこれまでにいくつも出ていますが、暖簾に腕押しで、何時までたっても埒があいていないのが実情です。

10)NTTを分割すれば、株主に不利益を生じる。株主代表訴訟も防ぎ得ない。

「具体的にどのような不利益が生じるのか」を明示して頂かなければ、そもそも議論になりません。

株主構成はそのままで、とりあえず現在の組織を二分するだけなら、分離したその時点では、株主の資産は増えも減りもしません。その後の二つの会社の市場価値がどのような変遷をたどるかについては、私は「コングロマリットディスカウントの解消」等でプラス面の方が相当に大きくなるだろうと踏んでいますが、意見を異にされる方がいるなら、具体的にその見通しを語って頂くべきです。しかし、何れにせよ、少なくとも「アクセス回線会社の分離」が株主代表訴訟の対象になるとは、私にはとても思えません。

これで、「反論に対する反論」は終わりです。なおも「上記に含まれていない異論・反論」がある方は、どんどん出していただければと思います。その一つ一つに対してあらためてお答えします。

最後に、少し感傷的な話になりますが、今回の一連の議論を通じて私が感じたことを、一言述べさせて下さい。

私が強く感じたのは、多くの日本人から「未来に夢を託す」少年のような気持が消え去りつつあることです。今の日本では、多くの人達が、自分達の今の立場を守ることばかりに汲々としており、リスクを取ってまで「破壊的な前進」を試みようとはしていません。

止むを得ないことなのかもしれませんが、孫さんや私が何か一言言うと、多くの人達が、ほぼ自動的に「その裏には何かソフトバンクの思惑があるのでは」と疑ったり、「自分達の組織が壊されたり、既得権が失われるのではないか」と恐れたりするのです。何とも淋しい限りです。

この人達の頭は、もはや自分達の小さな常識の中でしか物事が考えられないようになっており、その枠外にある「国の将来への思い」とか「志」等というものは、何か「現実離れしたもの」のように見えてしまうのでしょう。この人達が言う事の中からは、「想像力」や「創造力」といったものが殆ど感じられないのです。

私はもう年寄りですから、もはや何が出来るわけでもないかもしれませんが、現在40-50歳代の日本を動かしている人達は、本当に今のままの「考え方」や「生き方」を続けていてよいのでしょうか? 発展途上の国々のリーダーには、善きにつけ悪しきにつけ、少年のようなところがあり、「自分の国を大きく変えていこう」という野心があります。日本のリーダーがそれをなくしたら、これからの日本が「緩やかな衰退」から逃れることは、段々と難しくなるように思えてなりません。

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