歴史が変わる日(2009年9月16日)

第172回特別国会の召集日。午前10時から「当選証書の対照」があり、議員バッジを貰います。これが「初登院」というセレモニーで、新聞・テレビが話題の議員たちに殺到するシーンが今回も繰り広げられました。同じ頃、自民党の麻生内閣が総辞職し、首相官邸から去っていきました。テレビで、日の丸の小旗を振って「麻生さん、ありがとう!」と声をかけている人たちの集団を見ました。麻生氏は車から降りて笑顔で応じていたのですが……、小旗が用意されていたことといい、そこにカメラが待っていたことといい、「動員」によるヤラセであることは明らかです。その演出に対してニコニコするのは構いませんが、「オレには人気がある」と思い込んだとしたら、間違いのもとになるのは明らかです。麻生氏って、そして最近の自民党って、要するにこういう勘違いで民意を読み誤っていたということでしょう。

12時半から代議士会、1時から本会議。野党時代は国会議事堂の2階裏側の第4控室で代議士会が開かれていましたが、今回からは表側の第14控室。マスコミでも再三とり上げられたように、与野党逆転にともなう「城明け渡し」の象徴がこの14控室なのです。椅子は300席以上あると聞いていましたが、まさにスシ詰め状態。それでも、誰も文句を言う人はいません。

開会の定刻を前に本会議場に移動しましたが、議長席の正面後段に、私の議席があり、懐かしい名札が立っていました。漆塗りで、1回1回削って書き直すと聞いていましたが、近くの議員たちとも話し合った結果、これは落選前のものと同じではないかという印象を持っています。私たちの議席の前方には初当選議員たちの議席があり、それらの人たちの名札とは明らかに字体が違っているからです。つまり書き手が異なるはずで、私の名札は前回在職中の字体と変わっていませんでした。

本会議の所要時間は約2時間。議長選挙(民主党の横路孝弘代議士)、副議長選挙(自民党の衛藤征士郎代議士)と続き、最後の堂々めぐりが首班指名選挙。よく「死に票」といいますが、今まで民主党は書いても書いても死屍累々の結果をもたらしていましたが、今度こそ、「鳩山由紀夫」と書いた票が生きるのです。480の定数どおりの票が投じられ、鳩山由紀夫327、若林正俊(自)119、山口那津男(公)21、志位和夫(共)9、平沼赳夫4で、鳩山代表の指名が決まりました。

後世、「誰?」といわれるだろう人もいますが、鳩山代表の327には意味があります。いわゆる3分の2条項を満たしているからですし、渡辺喜美氏らの「みんなの党」がその内に含まれること、公明党が1991年以来18年ぶりに自党の委員長に投票したことも、ゆくゆく大きな影響力をもつ可能性があります。

いずれにしても鳩山由紀夫内閣が誕生しました。午後7時、皇居で首相任命式と閣僚の認証式がおこなわれ、鳩山首相と新大臣たちに日本の国家経営が委ねられました。日本の歴史が変わります。今日から、新しい政治が始まるのです。(その頃、私は埼玉県の国会議員団の会合に出ていました)

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