歌手・矢沢永吉(60)が30日、東京・文京区の東京大学本郷キャンパスで開かれた「五月祭」でシークレットライブを行った。意外にも学園祭はソロとして初出演となったが大学の最高峰、東大でのステージに、“日本ロック界の最高峰”は「高卒のおれはビビリながらきました」とおどけつつ4曲を披露し、学生たちに熱いロックンロール魂を吹き込んだ。
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東大の象徴である安田講堂の前に設置されたステージに矢沢が突然、駆け足で登場すると、会場から「オオーッ」というどよめきが起きた。一切の告知をせずにサプライズ登場した矢沢が「こんにちは、矢沢永吉です。ヨロシクゥ」とあいさつすると、それまで100人にも満たなかった観客がたちまち300人に膨れ上がった。
1975年にソロになって以降、学園祭には無縁だった。10年ほど前に京都大学から出演依頼があったが、都合がつかず出演を断念したことはあったが、今年3月に東大から依頼が舞い込み、快諾したことで“初出演”が決定した。
高校卒業と同時にミュージシャンを目指して広島から上京した矢沢は、「日本の最高峰の東大から“ちょっと歌ってよ”って頼まれてね。高卒のおれはビビリながらきました」と“ご指名”にまんざらでもない様子。ロック界のトップが、日本のトップの大学に登場するという計画に、矢沢も強い興味を示していたという。
ステージでは新アルバム「TWIST」(6月9日発売)収録の新曲「サイコーな Rock You!」や「いつの日か」など、いつもの観客とは違う学生たち相手に貫禄のパフォーマンス。そして“ロックの神”は未来ある若者たちに、「おれの息子は“受験で燃え尽きた”って言ってましたが、これから本チャンが始まるんです。社会に出て、明日の日本のためにがんばってください」と歌とともに熱いメッセージを送った。