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2007年08月29日

アルプス一万尺、小槍の上・・・の謎を解く



=CLUB NATURE仮想調査室 №2=


昔から歌われているものにタイトルのような・・・
♪アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを踊りましょ♪・・・なんていうのがありますが、これ、よくよく歌詞を眺めてみるとよくわかりません。

アルプス一万尺とは?
小槍の上で踊るアルペン踊りとは?

じつに難解、謎が多い歌です・・・
まずアルプスという言葉がありますが、日本の山を指しているのであれば、Japan Alpsと命名されるのが1881年。ウィリアム・ガウランドというひとりのイギリス人技師が飛騨山脈を調査して、著書「日本案内」の中で使用したのが初出です。明治14年のことでした。

しかしこの時代はまだ登山人口は少なく、アルピニズムとして学生らが未踏の頂を目指し始めたのが大正時代。さらに“一万尺”と歌われているからには、尺貫法が健在のときに歌われていたものなのでしょう。

日本で尺貫法が一般的に使われていたのは1950年代末頃まで・・・であれば登山黎明期で一般に登山ブームが巻き起こった大正末から昭和初期頃までが許容範囲となります。

この歌のタイトルは、よくわかりませんが仮に“アルプス一万尺”としておきましょう(^^;; 使われているメロディーは、アメリカの愛国歌“ヤンキードゥードゥル(間抜けなヤンキー)”ですが、これは元来が、イギリス軍が植民地アメリカの現地軍のことを馬鹿呼ばわりして歌ったものです。

アメリカ人はこれを自分たちの誇りの歌として歌い、独立戦争に勝利。それまでの盟主を倒した記念すべき歌なわけです。これは、善し悪しは別として・・・言い換えれば、徳川を倒した明治新政府にも当てはまりそうでもありますね。

明治の誰かが自分たちをアメリカにたとえてこのメロディーを口ずさみ、やがて始まった登山黎明期に新たなフロンティアスピリッツとして前人未踏の山頂(ピーク)を踏んだ(征服した)という価値観が重ね合わさって、自然と生まれた歌なのでは・・・とふと思ってしまいました。

戦意高揚のための歌が、命を賭して挑む数々のピークハンターの登山意欲高揚に変わった瞬間だったかもしれません。歌詞にある“小槍”ですが、これは一般的に槍ヶ岳横の小ピークを指す、と言われているようですが、これは未踏峰に挑み征服した踊りたいほどの高揚を表現しているものと考えれば、場所を限定するものではなく、むしろ未踏峰のピークです。

尖った岩鋒を槍と表現しますが、小槍の“小”は、槍であるとリズムが悪いので、合いの手のような感覚で挿入されたと考えるほうが自然です。

つまり・・・♪アルプス一万尺 槍(征服した頂)の上で アルペン踊りをおどりましょ♪ということではどうでしょう。

さて、ちょっと余談ですが・・・この歌が江戸時代に歌われるわけはありませんが、明治以前の江戸時代、日本の山の高度はどれほど性格に判明していたのか疑問に思います。で・・・かなり前にこの疑問を解明するために、ちょっと調べたことがありました。下は以前、山梨県の図書館で地史を調べた際にコピーした古文書の山の高度です。



富士山13,327尺、八ヶ岳8,991尺・・・山々の高度が全て当時の尺度で記されています。

では当時の尺度を現在に直すといかほどになるのか・・・甲斐国地略史にある、甲斐の山岳高度の比較図では、一番高いのが当然富士山。高さ13,327尺となっていますから、およそ3,998メートル。現在の正確な高度は3,776メートルですから、江戸期から明治にかけて220メートルほど高く見積もっていた、というのがわかります。

ちなみに記載される八ヶ岳は2697メートル、白根山は2785メートル、駒ケ岳は2695メートル、金峰山は2500メートル、国師岳は2471メートル、鳳凰山は2148メートル、仙丈ケ岳は2010メートル、雁坂領は2046メートル、笠ヶ岳は1575メートル・・・となっています。

八ヶ岳の最高峰である赤岳は2899メートルですから、やはり誤差は200メートル以内

江戸時代の測量術は量地術、町見術、三角術を応用した規矩術。規矩術は幻術とされ当時の幕府は使用を禁じていますけれど、和算家の福田父子がこれらを駆使して測量を行うわけです。

江戸時代に富士山を測量した福田氏は、和算を最上流であった武田真元、天文暦学を京都の土御門家から学んだ福田金塘に師事し測量を学んだ人物。和算家と聞くと数学者のように思われがちですが、江戸時代後期、和算家は幕府や諸藩の勘定方のほか天文方水利工事の技術者として活躍。

天を測り地を量すは、経世の用務にして言を待たず。軍務の用又これをもって急となす・・・云々」と記されるように、当時日本に頻繁にやってくる外国艦隊の軍艦のサイズや種類、性能を計測し調査するために測量機器を発明したとも書かれています。このように昔も今も、数学力は国力を支える重要な知識だったわけですね。

江戸時代は、さまざまな測量結果は国家の重大機密。アルプス一万尺ならぬ富嶽一万尺などと歌われるはずもありません(^^; 

幕府が倒され新政府が成立し、国家が富国強兵の一環で登山を奨励した大正期に独立戦争に勝利した歌のメロディに未踏峰征服の歌詞を乗せて歌われ出した、というのが順当なところでしょう(これは独断です 笑)

で、話を戻して・・・一万尺とは、一尺が0.303メートルなので約3000メートル。日本の3000メートル峰は14座あります。そいうことを総合的に考えてみれば、この14座の征服を競った時代の歌だった、というわけですね(^^;;ジョウダン

もちろんアルペン踊りというのは、岩場をクライミングし、ようやく到達した岩塔の上で歓喜に打ち震える気持ちを「アルペン踊り」というワードに託したとは考えられないでしょうか。

by CLUB NATURE 仮想調査室


■下はオマケです。江戸時代の河川の測量結果です。


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= ケータイからのコメント一時中断中 =

Posted by ユウ_zetterlund at 14:57 │仮想調査室
この記事へのコメント
オイラ・・・

♪アルプス1万弱 子ヤギの上で~♪
(アルプスの10000メートル弱の山で子ヤギに乗って踊る??)

とさっぱり意味がわからない歌詞だと思ってました^^;;;;
Posted by simoji at 2007年08月29日 16:04
意味も解らず歌っておりましたが
改めて考えてみるとおっしゃる通り
ん~、不思議な歌詞ですね~。
Posted by チャイ at 2007年08月29日 16:59
アメリカ独立戦争や江戸時代の測量術まで遡っての考察、すごい!
ちなみにこの唄は替え歌がとっても多いですよね。
私が「座布団一枚!」とおもうのは
♪君と僕とは卵の関係、僕が白身で黄身を抱く〜♪というやつです。
Posted by ろんがあ at 2007年08月29日 18:27
あの歌の続きはあるんでしょうかね?~さあ踊りましょ♪ラ~ラララ~の後知らないです(笑)

他に娘さんよく聞けよ、山男にゃ惚~れるなよ~♪なんてのも山関係の歌ですね。
Posted by 横道 at 2007年08月29日 19:35
★simojiさん★
simojiさんの、その歌は、エキセントリックですね~(笑)
エベレストで8848メートルなので、一万メートル弱の山といえば、これこそ前人未到(^^;; しかも小ヤギのうえ(笑)
Posted by ユウ at 2007年08月29日 19:48
★チャイ さん★
むかーしむかし、アルペン踊りって知ってる?と聞かれたことがあって、知らないと応えると・・・山やってるひとも知らないんですか、と(笑) その後、いろいろなクライマーなどに聞いたても誰一人知らない謎の踊り・・・それがアルペンダンス(--;;
Posted by ユウ at 2007年08月29日 19:50
★ろんがあ さん★
もともとジョウダンな記事(考察)なもので・・・そこまで遡っていろいろ尾ひれをつければ、それらしくなるかな、って(笑)
僕も替え歌しってますが、公衆の面前でとても書けません(^^;;;
Posted by ユウ at 2007年08月29日 19:52
★横道 さん★
たしか歌詞は3番程度まであったように記憶していますが、どういうものかは皆目不明(笑) これは勝手に歌詞を付けてもよさそうな気分♪
Posted by ユウ at 2007年08月29日 19:54
2番は
♪森の木陰で昼寝をすれば、ちょうちょが飛んできてキスをする、Hey! Lalalala~

とかだったような気がします。

(一万尺だと森林限界より上のような気もしますが、、)

古文書の山岳&河川比較表の図なんとも味がありますね。
Posted by kimatsu at 2007年08月29日 21:23
この歌9番まであるそうですよ。

http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/alps_ichimanjaku.htm

で、小槍というのはこんなとこだとか...

http://www.otari-sherpa.jp/yama/koyari.htm

ほんとかどうかはわかりませんが...
Posted by キャンピングパパ at 2007年08月29日 23:41
ウワ~( ´△`)
simoji君と同じだと思ってました。
ヤバイですね…アホまるだし。

僕もずっと小ヤギの上で踊るおどりが「アルペン踊り」って思ってました。

子供にも教えてしまった!!!
間違いを正さなければ…アホの子になる。

富士山の次が白根山ってのもビックリしました。ユウさんには色々勉強させてもらってます。ありがとう御座います。

僕の脳も少しは活性化されそうです。
Posted by lilt at 2007年08月30日 10:31
こんにちは
私も歌詞をずっと勘違いしていたクチです(笑)
こやりは、小屋り(←りは意味不明ですが^^;)で、アルプスの小屋の屋根の上で踊っているイメージがありました。(アルプスの少女ハイジの見すぎでしょうか?)
うちの娘達は、やっぱり「こやぎの上で~♪」と歌いながら、手遊びしてます^^
Posted by piyoママ at 2007年08月30日 12:41
★kimatsu さん★
ロマンチックな歌詞ですよね。僕が知っているのは三番まで・・・それにしてもキャンピングパパが書かれているように9番まであったなんて・・・驚きです。
山仲間は、これをいろいろな替え歌で歌っていて、どれもかなり卑猥系(笑)
河川の図ですけど、よくみると気持ち悪いですよね(^^;;
Posted by ユウ at 2007年08月30日 13:55
★キャンピングパパ さん★
ほんとーですね。9番までありますね。知ってる人、少ないでしょうね~!
小槍は槍ヶ岳の横の小さなピークなんですが、ここは二十代の頃登ったことがあります。畳一畳もないので、とても踊りなんて踊れませんでした(笑)
Posted by ユウ at 2007年08月30日 13:57
★liltさん★
もしかして、小ヤギ派ってかなり多いのかもしれないですね(^^;; だって、piyoママさんも同じだし。この際、小ヤギでいっちゃいましょうか(笑) ますます歌詞の謎が深まりますね・・・
Posted by ユウ at 2007年08月30日 13:58

★liltさん★
piyoママさん、小ヤギではなくて、小屋リでした(笑)
Posted by ユウ at 2007年08月30日 13:59
★piyoママ さん★
アルプスの小屋の上で踊るダンス・・・たぶんハイジが腰に手を当てて、ぴょんぴょんスキップする・・・そんなイメージです(笑)

以前、穂高のカール下に涸沢(からさわ)という場所があるのですが、そこのテント場で子供が「アルプスいちまんジャック・・・」と歌っているのを聞いたこともありました(^^;; ジャックとハイジの踊りですね♪
Posted by ユウ at 2007年08月30日 14:02
興味深く読みました。
確かに不思議な歌です。
喜びの気持ちが「アルペン踊り」に込められ
ているのですね~よーし!思い切り踊りま
しょう~^^。
Posted by param at 2007年08月30日 19:51
アルペン踊りどは~たぶん腰に両手をあてて  片足でぴょんぴょん でしょうかなぁ(笑
Posted by 風 at 2007年09月02日 03:30
★param さん★
param さんのアルペン踊り、見てみた~い!(笑)
Posted by ユウ at 2007年09月25日 02:43
★風さん★
たぶん、ぴょんぴょん、ですね(^^;;
Posted by ユウ at 2007年09月25日 02:43