<口蹄疫>宮崎県が種牛49頭の殺処分実施 「安平」も含む
5月31日21時1分配信 毎日新聞
県家畜改良事業団の敷地内にある「安平」の像。左は母牛の「きよふく」=宮崎県高鍋町の県家畜改良事業団で2010年5月31日、和田大典撮影 |
【深刻な被害の写真特集】口蹄疫、感染拡大が深刻化
同事業団で、肥育牛の感染疑いが確認されたのは5月16日。避難させたエース級種牛6頭のうち「忠富士」にも22日、感染疑いが発覚。県は、家畜伝染病予防法に基づき殺処分が決まっていた49頭の助命に動く。しかし、国はまん延防止が優先として殺処分を求め、主張は真っ向から対立した。
県の助命要望を封じるかのように、鳩山由紀夫首相は26日、独立行政法人・家畜改良センターが保有する宮崎牛の血を引く種牛候補を譲ると表明。しかし県は「他県の血統が混じれば純粋な宮崎牛の血統だとは言えない」。種牛の改良には、優れた母牛も欠かせず、県は数十年の血統の流れを踏まえた改良を進めているからだ。
こうした中、県は28日、49頭のうち1頭に口蹄疫特有の症状が見つかったと発表。県の万策も尽き、東国原英夫知事は49頭の殺処分を表明した。
宮崎牛の遺伝子をつなぐ頼みの綱のエース級種牛5頭は、今も西都市内の山中に避難している。忠富士の感染から1週間の経過観察(5月28日現在)で陰性を確認。県は6月4日までその期間を延長した。
「福之国(ふくのくに)」「勝平正(かつひらまさ)」など5頭は当初の簡易畜舎と同じ敷地内に建てた新しい畜舎に3頭、約500メートル離れた場所に建てた畜舎に2頭と分けられ、厳重な管理下に置かれている。
県は今後、時間はかかっても、残された種牛・母牛候補で県独自に再生を図る方針だ。【石田宗久、小原擁】
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最終更新:6月1日0時8分
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