第3章 シンジはなぜ戦わなかったのか
<シンジが戦わなかったことについての一般の評価>
映画を見た上での感想でよくあるのは、シンジの「情けなさ」です。ずっと一人でこもっていただけで、しゃべれば「死にたい」であり、エヴァに乗る気もない姿をみて、かなり酷評されていました。
たとえば、市販本の記述を2、3拾いますと、…
「その後も泣き言を言いつづけるシンジ。これまでで最悪の引きこもり状態。…醜態をさらすシンジの姿である。」(「エヴァンゲリオンの深層心理」より)
「あそこにはいろんな「世界の謎」があるんだけど、主人公のシンジはそれになんの関心ももっていないこと。もうひとつは、シンジはまったく成長しない人間で、ゆえにこれはドラマですらないこと。」(サブカルチャーと天使の羽根(エヴァの遺せし物)」より)
成長しない、世界に関心のない、泣き言をいい続けるブザマな主人公という評価がなされています。
この点について、本当にそうだったのか、以下で検討します。
<シンジは、なぜ23話までシトを殺しつづけたのか>
まず、シンジは、どのような理由で戦いつづけたのかを確認します。
12話シンジ「さっき、父さんの言葉をきいて、誉められることがうれしいって初めてわかったような気がする。それにわかったんだ。ぼくは、父さんのさっきの言葉を聞きたくて、エヴァにのってるのかもしれない。」
16話シンジ「父さんが、ぼくの名前を呼んだんだ。父さんが、あの父さんに誉められたんだよ」
19話シンジ「動け、動け、動け」
「今動かなきゃ、みんな死んじゃうんだ。お願いだから動いてよ。」
21話
レイ「やさしくしてくれる?他の人が」
シンジ「うん」
レイ「どうして」
シンジ「それは、ぼくがエヴァのパイロットだから」
「ぼくがエヴァにのっているから大事にしてくれる。」
「それが、ぼくがここにいてもいい理由なんだ。」
「ぼくを支えている全てなんだ。」
「だからぼくは、エヴァにのらなきゃいけない。」
レイ「乗って」
シンジ「敵、そうみんなが敵と呼んでいるモノと戦わなきゃいけない。」
レイ「戦って?」
シンジ「勝たなきゃいけない。」
「そう、負けちゃいけないんだ。」
「みんなの言うとおりにエヴァにのって、みんなの言う通りに勝たなきゃいけないんだ。」
「そうじゃないと、誰も、誰も、誰も…」
「誉めてくれるんだ。エヴァに乗るとほめてくれるんだ。こんな僕を」
「みんなも乗れって言ってるんだ。」
「父さんも、僕を捨てた父さんも、見返してやるんだ。」
「シトが悪だから」という理由は無いことに注意してください。シトが悪かどうかは、シンジにはよくわかりません。シンジの疑問に誰も答えてくれないし、そもそも他の人もよくわかってないからです(第一章、第二章参照)。
おおまかに言って、シンジの心の動きには、二つの方向があります。
(顕在意識)友人など、みんなを守るため。
(潜在意識)自分が周囲の期待に応えないと、また捨てられるのではないかという不安があるため。
以上2点です。
なお、潜在意識の動きについては、「シンジはなぜアスカの首を絞めたか」などもご参照ください。
<シンジはなぜカヲルを殺したのか>
ここにカヲルが現れます。
この少年は、シンジの出会ったどんなヒトよりも、シンジを肯定してくれました。
ところが、カヲルがシトだとわかり、シンジはカヲルを殺します。
なぜ殺したのでしょうか.
シンジは、カヲルがシトだときいたとき、
「裏切ったなー、父さんと同じで僕を裏切ったんだ」と叫びました。
この言葉は、逆にとれば、シンジが最も好意を欲していたのは父とカヲルであることがわかります。最高の友人になれると思わせておいて、実は敵であるシトだったということで、シンジはカヲルに裏切られた気がしたのです。
混乱したシンジは、シトだという理由でカヲルを殺します。
しかし、よく考えてみると、シトをなぜ殺さなくてはならないのか、シンジ自身理解していません。
(顕在意識)友人など、みんなを守るため。
・
・しかし、カヲルは誰よりもシンジにとって大切な友人になろうとしていました。
(潜在意識)自分が周囲の期待に応えないと、捨てられるのではないかという不安があるため。
・
・初めて、シンジを好きだといってくれたのは、他ならぬカヲルでした。
このように考えてみると、シンジがカヲルを殺す理由はありません。
シンジは、カヲルへの期待が裏切られたような気がして、殺してしまいました.
しかし、シトが悪であるという証拠は全くありません。
シンジは、みんなには死なないで欲しいし、自分は捨てられたくないという二重の理由でシトを殺してきたのです。しかし、ほかならぬシトであるカヲルが、シンジの最も大切な友人であり、最も肯定してくれる存在である以上、シトを殺す理由は何も無いわけです。
このことが、シンジを深い後悔へといざないます。
24話
シンジ「カヲル君が、好きだっていってくれたんだ。僕のこと。」
「はじめて、はじめてヒトから好きだって言われたんだ。」
「好きだったんだ。生き残るならカヲル君の方だったんだ。僕なんかよりずっと彼の方がいいヒトだったのに。」
「カヲル君が生き残るべきだったんだ。」
25話
テロップ「なぜ殺した。」
シンジ「だって、カヲル君は、彼は、シトだったんだ。」
テロップ「同じ人間なのに」
シンジ「違う。シトだ。僕らの敵だったんだ。」
テロップ「同じ人間だったのに。」
シンジ「違う。違う。違うんだ。」
レイ「私と同じヒトだったのに。」
シンジ「違う。シトだったんだ。」
26話
「僕にはヒトの為にできることなんて何にもないんだ。アスカにひどいことしたんだ。カヲル君も殺してしまったんだ。優しさなんかかけらもない。ずるくて臆病なだけだ。僕にはヒトを傷つけることしかできないんだ。だったら何もしない方がいい。」
シンジが、カヲルを「ヒト」と呼んだり「シト」と呼んだり混乱していることに注意してください。「シト」と呼ぶことで、自分を正当化しようとする一方、やはり「ヒト」なのです。
つまり、シンジは、他人を気にして、嫌われないように動いた結果、自分の最も大事なヒトを失うことになったのです。
これは、他人の言葉に流されたことから起きた悲劇です。
こうなると、シンジにとってエヴァにのることの意味は逆転します。
(顕在意識)友人や、大切な人を殺すことになるかもしれない。
(潜在意識)自分を肯定してくれる、捨てないでくれる人を殺してしまった。
<与えられた他人の真実を拒否し、エヴァを降りたシンジ>
ゼーレの策略により、ネルフは猛攻撃を受けます。
しかし、シンジはエヴァにのって戦おうとしません。
カヲルを殺した精神的ショックが大きくて、何をする気力も起きないという面ももちろんあるでしょう。しかし、そう決め付けずに、シンジの気持ちを素直に聞いてみましょう。
シンジ「もう嫌だ。死にたい。何もしたくない。」
「僕は、だめだ。だめなんですよ。人を傷つけてまで、殺してまでエヴァにのるなんて、そんな資格ないんだ。僕は、エヴァに乗るしかないと思ってた。でも、そんなのゴマカシだ。何もわかってない僕にはエヴァに乗る価値もない。僕にはヒトの為にできることなんて何にもないんだ。アスカにひどいことしたんだ。カヲル君も殺してしまったんだ。優しさなんかかけらもない。ずるくて臆病なだけだ。僕にはヒトを傷つけることしかできないんだ。だったら何もしない方がいい。」
シンジのこの発言は、一応3段論法となっています。
@
自分をごまかしていたが、もともと何もわかっておらずエヴァに乗る価値はなかった。
A
その結果、実際にヒト(カヲル含む)を傷つけてしまった。
B
今後は、何もわかっていない自分は、何もするべきではない。
つまり、シトが何であるのか、自分はなぜ戦うのかを理解していたわけではなく、自分が他人(Nervスタッフ、友人達など)から肯定してほしいためにエヴァに乗っていたにすぎない。その結果、カヲルという、自分にとっては最も大事なヒトを殺してしまった。何が正しいのか理解できずに他人を気にしてエヴァに乗り、言われるままに相手を殺す自分は、今後も同じようなことを繰り返す可能性がある。それならば、何もせず、エヴァにのらない方がましである。
というような事が、シンジの言いたいことだったわけです.
何が正しいのかわからず、他人の目を気にし、他人の真実にしたがって行動し、その結果自分の最も大切なヒトを失うくらいなら、いっそのこと何もしないことを選ぶべきだというのが主旨です。
ミサト「自分が嫌いなのね。だからヒトを傷つける。自分が傷つくより、ヒトを傷つけた方が、心が痛いことを知っているから。でも、どんな思いが待っていても、それはあなたが自分一人で決めたことだわ。価値のあることなのよ。シンジ君。あなた自身のことなのよ。ごまかさずに、自分にできることを考え、償いは自分でやりなさい。」
シンジ「ミサトさんだって、他人のくせに、何もわかってないくせに!」。
これほどかみ合っていない会話もないでしょう。ミサトには、シンジの言いたいことが、ただ逃げているようにしか聞こえません。シンジの行為を、ミサトなりに肯定してあげようと思い、「どんな思いが待っていても、それはあなたが自分一人で決めたことだわ。価値のあることなのよ。」といいます。
しかし、シンジは、自分で決断をくだして、カヲルやシトを殺してきたのではなく、ミサトやゲンドウらの言うことに従い、彼らに誉めてもらうために、捨てられないために殺してきたのです。つまり、自分一人で決めたどころか、
「与えられた他人の真実でしか、物事を見ようとしない。」
態度のために、今までエヴァにのり、シトやカヲルを殺してきたわけです。
そこで、シンジは、自分一人での決断を行った結論として、何もわかってないのにエヴァに乗って戦うべきではない、意味もわからず相手を殺し、好きな人を失うくらいなら、いっそ何もせずに自分が殺された方がいい、という結論を得たのです。
つまり、シンジの、戦うぐらいなら殺されようとする判断は、ミサトの「ごまかさずに、自分にできることを考え、償いは自分でやりなさい」という言葉通りの決断なのです。
シンジは、他人の言葉に流されることを拒否する決意をしたのです。
「ミサトさんだって、他人のくせに、何もわかってないくせに!」という言葉の裏にはこのような意味があります。
ここで、第一章の結論を思い出してください。
シトは人類の敵であると考え、シトの撃滅をめざす事こそ、ゼーレの情報操作に乗せられていたのです。社会全体がゼーレの情報操作により洗脳され、サードインパクトを防ぐためと考えてシトを攻撃したのですが、実はその行為そのものが、ゼーレがサードインパクトを起こすための手助けだったのです。
もちろん、このような全体像はシンジにも理解できていません。
ただ、自分の判断を失い、他人の言葉にのっかることの危険性に、カヲルを殺すことでシンジは気づいたのです。
ネルフスタッフにしても、政府首脳にしても、全て他人の言葉に踊らされているにすぎません。自分のやっていることが何なのかもわからず、ゼーレか、ゲンドウの、どちらかの言葉に乗せられているのです。
25話首相「ネルフが裏で進行させていた人類補完計画。人間全てを消し去るサードインパクトの誘発が目的だったとは。」
26話マヤ「ねえ、私達、正しいわよね!」
青葉「わかるもんか」
ミサトがシトと戦っていたのは、父のあだ討ち的な発想がありました。
19話「シンジ君、正直、私はあなたに自分の夢、願い、目的を重ねていたわ。」
しかし、シンジが、自分の気持ちを押さえてまでミサトに従う義理はないのです。実際、ミサトに従ってシトを全滅させた結果は、彼女も望んでいなかったサードインパクトを招いただけでした。
<BLOOD TYPE BLUE>
シトの判別方法についても同様です。「青い血液=シト」という、判別が、常になされていました。しかし、ヒトにもさまざまなヒトがいるように、シトにもさまざまなシトがいたのかもしれません。どんなことであれ、肉体上の特徴による判別だけで、敵と味方をわけ、敵であれば殲滅するというのが、どれほど危険なことなのか。シンジはこの問題について、カヲルと出会うことで気づきました。
最後の最後になって、この判別方法の限界が誰の目にも明らかになります。
26話ミサト「シンジ君、私たち人間もね。アダムと同じリリスと呼ばれる、生命体の源から生まれた18番目のシトなのよ。他のシト達は別の可能性だったの。ヒトの形を捨てた人類の、ただ、お互いを拒絶するしかなかった悲しい存在だったけどね。同じ人間同士も・・」
26話青葉「ターミナルドグマより、正体不明の高エネルギー体(巨大なレイ)が急速接近中!」
日向「分析パターン青」(画面にはBLOOD TYPE BLUEの文字)
マヤ「まさか、シト!?」
日向「いや、違う」
「ヒト!人間です。」
なんと、BLOOD TYPE BULEは、ヒトとシトの判別に絶対的なものではなかったのです。それは、シンジのインナースペースでレイが語っていたことでもあります。
25話
シンジ「だって、カヲル君は、彼は、シトだったんだ。」
テロップ「同じ人間なのに」
シンジ「違う。シトだ。僕らの敵だったんだ。」
テロップ「同じ人間だったのに。」
シンジ「違う。違う。違うんだ。」
レイ「私と同じヒトだったのに。」
例え、どのような根拠に基づくにせよ、BLOOD TYPE BLUEという画一的な判断だけで、敵とみなすことが正しいことなのか。今まで殺したシト達は、本当に全て殺さなくてはならなかったのか…。ヒトにもそれぞれ違う目的があるように、血液だけでは、判定しきれない、さまざまな差異が、シトの中にもあったのではないか…。シトを殺すことは、結局ゼーレがサードインパクトを起こすことに、協力したのに過ぎないのではないか…。
他人の言葉に流された責任は、サードインパクトという、あまりにも大きい代償を必要とします。
<シンジの決断>
ミサトの説得に対しても、最後までエヴァに乗るとは言わなかったシンジですが、エヴァの前でただたたずむシンジを、エヴァは自らの意思で搭乗させます。
(注)なお、シンジがエヴァのところに到着してからの「だって乗れないんだ、どうしようもないんだ」というセリフですが、本来は「やっぱりこなきゃよかった」でした(「エヴァンゲリオンフォーエバー」より)。ミサトの命がけの言葉を聞いたあとで、「やっぱりこなきゃよかった」はないんじゃないかと、声優の緒方さんが監督に抗議して、可能な範囲での変更となったそうです。しかし、全体の流れを今までのように見てきますと、シンジは、他人の真実を拒否する決意をしているわけです。たとえ、ミサトに命がけで説得された結果エヴァの所まで来てしまったとしても、「やっぱりこなきゃよかった」という拒絶を示した方が正しいニュアンスを表現していたと思います。
冬月「この先にサードインパクトの無からヒトを救う方舟となるか、ヒトを滅ぼす悪魔となるのか。未来は碇の息子に委ねられたな。」
シンジは、何を願うのでしょうか。
シンジ「僕は死んだの」
レイ「いいえ、全てがひとつになっているだけ。」
「これがあなたの望んだ世界。そのものよ・・」
シンジは、BLOOD TYPE BLUEである、レイと溶け合います。ここで象徴されているのは、単に全てのヒトがひとつになっているだけでなく、青い血と赤い血で戦うのではない世界、青い血と赤い血がわけ隔てなくひとつになる世界でもあります。これは、青い血のヒトを、他人の言葉によって、滅ぼしてしまったシンジの持つ夢でしょう。
しかし、全てが溶け合った世界では、「自分」も「他人」もいません。
シンジが望んだのは、「自分」が、他人の言葉に取り込まれずに、自分で現実を考えられる世界です。ATフィールドが復活します。
カヲル「現実は知らないところに。夢は現実の中に」
レイ「そして、真実は心の中に有る」
カヲル「ヒトの心が、自分自身の形を作り出しているからね。」
レイ「そして、新たなイメージがそのヒトの心もかたちも変えていくわ。」
レイ「イメージが、想像する力が、自分たちの未来を、時の流れを作り出しているもの」
カヲル「ただ、ヒトは自分自身の意思で動かなければ、何も変わらない」
レイ「だから、見失った自分は、自分の力で取り戻すのよ。たとえ、自分の言葉を失っても、他人の言葉に取り込まれても」
最後の言葉こそ、シンジがこれからやろうとしていたことそのものでしょう。
シンジ「幸せがどこにあるのか、まだわからない。だけど、ここにいて、生まれてきてどうだったのかはこれからも考えつづける。だけど、それも当たり前のことに何度も気づくだけなんだ。自分が自分でいるために。」
他人の言葉に取り込まれ、見失ってしまった自分を取り戻し、自分が自分でいること、これがシンジの得た結論でした。
<シンジの心の流れ>
テレビ版24話から映画版26話までのシンジの心の軌跡をまとめます。
1.他人の真実に流された苦しみ
テレビ24話
カヲルを殺す
「カヲルくんが、好きだっていってくれたんだ。僕のこと。」
「初めて、初めてヒトから好きだって言われたんだ。」
「好きだったんだ。生き残るならカヲルくんのほうだったんだ。僕なんかより、ずっと彼の方が、いいヒトだったのに。」
「カヲルくんが生き残るべきだったんだ。」
テレビ25話
シンジ「しかたがなかったんだ。シトだったんだ。」
レイ「私と同じヒトだったのに」
シンジ「違う。違うんだ。」
2.正しいことがわからないが、他人の真実に流されることは拒否
テレビ26話
「与えられた他人の真実でしか、物事を見ようとしない。」
「晴れの日は気分よく」
「雨の日は憂鬱だ。」
「と、教えられていたらそう思い込んでしまう」
シンジ「エヴァに乗らない自分もあるんだ」
映画25話
「僕は、エヴァに乗るしかないと思ってた。でも、そんなのゴマカシだ。何もわかってない僕にはエヴァに乗る価値もない。」
3.自分の真実を探す決意
映画26話
レイ「だから、見失った自分は、自分の力で取り戻すのよ。たとえ、自分の言葉を失っても、他人の言葉に取り込まれても」
シンジ「生まれてきてどうだったのかはこれからも考えつづける。だけど、それも当たり前のことに何度も気づくだけなんだ。自分が自分でいるために。」
<ループからの脱出・・シンジの変化>
ミサトの言うように、エヴァの量産機を全機破壊すれば、サードインパクトは起きなかったのかもしれません。
しかし、シンジが、自分のやっている事の意味もわからず、ミサトに言われて敵を全滅させるということは、それこそ、成長のない、ただループしているだけの人間になってしまうのではないでしょうか。
1話
エヴァに乗りたくなかったが、父の視線、傷ついたレイなどを見て、戦う。
4話
脱走するも、友人の言葉などをきっかけに戻る。次のシト襲来で戦う。
6話
戦闘がいやになるが、レイが自分の代わりに出ると聞き、戦う。
19話
友人を殺しそうになり、エヴァを降りるが、人々を守るため戦う。
25、26話 何もわかってない自分が戦うべきでないと考える。エヴァに強制的に搭乗させられるが、戦闘は行わず、神の力をもって、全てが一つである世界をもたらす。
<結論3>
シンジが戦わなかったのは、情けない奴だからでも、成長しない奴だからでもない。「青い血=敵」という他人の言葉に流されて戦いつづけてきた自分、周囲の人々に嫌われないように戦いつづけてきた自分への、訣別である。戦いの意味も、目的も、何も理解せずに、他人の真実に流されて戦うことを拒否したのである。