月 食
[ 月食中継はこちらです ]
月食とは、月が地球の影に入る現象で必ず満月の時に起こります。
日食とは違い月食の起こる時刻は、月の見えるところなら世界中どこでも同じ時刻に見ることができます。
月食は満月に起こるので、月食の時に夜になっている所なら何処からでも見ることができます。
月食の始めや終わりだけしか見られない所まで含めれば、地球の半分以上にもなります。
私達が月食を見る機会は意外に多くあります。
例えば日本では平均して5年間に4回程度月食が見られます。
日食は平均9年間に4回なのですが、地球全体とすると月食は日食よりも起こる回数が少なく
1ユリウス世紀(36252日)間に平均
154.3回で、そのうち皆既月食は
71.6回、部分日食が
82.7回です。
多くの場合1年間に起こる月食の回数は2回ですが、1年に1回も起こらない年もありますし、3回も起こる年もあります。
1年に月食が3回起こる年 |
1833 | 1852 | 1898 | 1917 | 1982 | 2028 | 2094 | 2113 |
1年に月食が1回も起こらない年 |
1966 | 1969 | 1980 | 1984 | 1998 | 2002 | 2016 | 2020 |
2031 | 2038 | 2042 | 2049 | 2053 | 2056 | 2060 | 2067 |
日食が1年に5回起こる年には月食も必ず2回起こって、1年間の日食と月食の総数は7回となりますが、
月食が3回の年には日食が4回在るとは限りません。
月食が3回と日食が4回起こる年 |
1787 | 1917 | 2094 | 2159 |
これまでの月食と今後の月食は以下の通りです。(日本国内)
オッポルツァーの日月食宝典から計算(半影月食は省略)
2010年1月1日の部分月食
およそ半年ぶりの部分月食となります。
日本国内で見られる月食としては、前4回が天候により観測できなかったため約9年半ぶりとなります。
元旦の早朝、極寒の中での食分10%程度の部分月食となります。
太平洋側では冬型の晴天に恵まれる可能性がありますが、食分の少ない部分食で期待感はやや低くなります。
食は4時間半程度で半影食は午前2時頃から始まり、午前6時半には月没直前に全て終了となります。
そのまま初日の出を迎える場合を考え東西に見通しの良いところでの観測がお薦めです。
以下に食の進行状況を示します。

画像 Moon32s Ver2.8 |
時刻 |
月食の状態 |
1月1日 02時15.3分 |
半影食の開始 |
1月1日 03時51.6分 |
部分食の始まり |
1月1日 04時22.7分 |
食の最大(食分0.082) |
1月1日 04時53.8分 |
部分食の終了 |
1月1日 06時30.1分 |
半影食の終了 |
●各地の月没
札幌 07:20 仙台 07:05 東京 07:02 名古屋 07:13
大阪 07:17 広島 07:29 福岡 07:36 那覇 07:28
●各地の日出
札幌 07:06 仙台 06:53 東京 06:50 名古屋 07:00
大阪 07:04 広島 07:16 福岡 07:22 那覇 07:16 |
上記のアニメーションを
ムービーでご覧戴けます。
待ちに待った皆既月食ですが日本国内では月食開始の部分食は観測出来ません。
部分食の開始から終了までは3時間30分に及びますが、
月出から1時間程度は月の高度が低く建物の多い地域では観測が困難です。
今回の月食は黄緯度差が小さく皆既食が1時間30分程度続きます。
皆既中でも月の面の様々な場所で色や明るさの違いなどを観測してみると良いでしょう。
皆既の終了間際にも色の変化が見られるはずで、地球大気の状態によって違ってくると言われています。
また、近地点で迎える月食のため地球の陰の大きさも幾何学的計算より2%以上違ってくる可能性があります。
観測になれている方は主なクレーターとの接触時刻を観測されることをお奨めします。

画像をクリックするとアニメーションウィンドウを開きます(222kBytes)
アニメーションを
ムービーでもご覧戴けます。
以前の月食の情報は
こちらです
- -
次の図は地球の影の出来方を示します。
太陽と地球の大きさの対比や距離は誇張してあります。
月食は、いつ起こるのか?
地球から見ると、月も太陽も星空の中で動いています。
月が星空で位置を変えるときに通る道を白道(はくどう)といいます。
同様に太陽が通る道を黄道(こうどう)といいます。
良く知られる黄道12星座は、星空の太陽が通る位置にある星座のことを指します。
白道は黄道のように星空を一周していますが、黄道に対して平均5度9分傾いています。
いずれも中心は地球ですので、交点が2カ所出来ることになります。
白道と黄道の交点は黄道が18.6年周期で向きを変えるため、一定の場所ではなくなります。
この交点上に太陽と月の位置が一致したときに日食となり、
1方の交点に太陽、反対の交点に月が位置するときに、月食となります。
月が交点上に位置することを昇交点・降交点と呼び、約半月(はんつき)に1度訪れますが、
満月や新月に昇交点や降交点に居なければ、日食や月食には成りません。
ですから、毎新月・毎満月に日食や月食が起きてくれないのです。
月食の色
地球の影の中には太陽の光は届かないので、月食中の月には日光が当たらず、
真っ黒になって全く見えないはずです。
ところが、実際の月食中の月は黒ずんだ赤褐色で光っています。
影に入った月が光っているのはなぜでしょう?
それは地球の大気のいたずらが原因です。
地球の影というと輪郭のはっきりした円形を想像しがちですが、
大気による屈折により影の中に光が入り込んで行くために
影と言っても真っ暗ではないわけです。
また、地球の大気に入り込んだ光は空気中の酸素や窒素の分子や塵に当たり
紫から青い光の成分は乱反射して行きます。
大気中を長く通った光は、より波長の長い赤い光の成分だけが
厚い大気を乗り越え、通り抜けて行くことができます。
例えて言えば月面上に夕焼けが映っていると考えれば分かりやすいでしょう。
同じ影の部分でもより中心部の方が暗く
縁に近い部分ほど赤色や黄色に加え緑色の成分が混ざってきます。
月食中に影の縁に近い部分を観測してみて下さい。
部分食の後半の皆既食になる直前あたりで
美しい彩りを楽しめると思います。
分かりやすく極端に誇張したものです
月食の観測
月食が始まる時刻や終わる時刻を観測することは、意外にも難しいものです。
地球の影の輪郭がぼけていることから、欠けた部分との境目がはっきりせず
望遠鏡などで倍率を上げても余計に分からなくなってしまいます。
このように月食の経過時刻を測定することはとても難しい事ですが、
地道な観測から得られた地球の影の大きさは、
幾何学的な計算により導き出した値より大きくなることが知られています。
これは地球の大気による影響で、この拡大率を測定することで
全地球的な大気の状態などを知ることもできます。
拡大率は地球の影が月面のクレーターを通過する時刻を観測して
様々の方達によって精密に測定されています。
一般によく使われるクレーターと2000年7月16日の月食の接触時間を例に示します。
 |
| 火 口 名 | 潜入時刻 | 出現時刻 |
1 | ティコ | 21h23.8m | 0h13.1m |
2 | グリマルディ | 20h59.4m | 23h51.8m |
3 | アリスタルコス | 21h11.4m | 0h00.1m |
4 | ケプラー | 21h10.9m | 0h02.8m |
5 | ピテアス | 21h21.7m | 0h11.9m |
6 | コペルニクス | 21h19.8m | 0h11.8m |
7 | プラトー | 21h34.4m | 0h17.3m |
8 | マニリウス | 21h36.0m | 0h27.9m |
9 | アリストテレス | 21h43.2m | 0h27.2m |
10 | ユードクソス | 21h42.5m | 0h28.0m |
11 | メネラウス | 21h39.8m | 0h31.5m |
12 | プリニウス | 21h43.5m | 0h35.5m |
13 | プロクルス | 21h53.6m | 0h45.6m |
14 | タルンティウス | 21h54.4m | 0h47.2m |
|
堅い話ばかりとなりましたが、ただ眺めて戴くだけでも全く結構です。
みなさん、素晴らしいお月見と月食を心ゆくまでお楽しみ下さい。
季節によっては夜間冷え込みが厳しい場合があります。
冬場は防寒対策をしっかりと、夏場は防虫対策をお忘れなく。
月食時は多くの場合で危険度がピークに達していますので
観測に出かける時などは時間に余裕を持ってお出かけ下さい。
また、車の運転などにも十分に注意して下さい。
以下は過去の月食情報です。
2007年8月28日の皆既月食
およそ3年半ぶりの皆既月食が巡ってきます。
日本国内で見られる皆既月食としては、前2回が天候により観測できなかったため6年半ぶりとなります。
まだまだ暑い盛りとなりますが夏休みの子供達にも見やすい時間帯となり好都合です。
今回の月食も条件は完全というものではありません。
日本国内では皆既直前に月出を迎えますので、半影食や部分食の始まり(第一接触)などは見られません。
以下に食の進行状況を示します。

画像 Moon32s Ver2.8 |
時刻 |
月食の状態 |
28日 16時52.2分 |
半影食の開始 |
28日 17時50.9分 |
部分食の始まり |
28日 18時52.0分 |
皆既食の始まり |
28日 19時37.4分 |
食の最大(食分1.309) |
28日 20時22.7分 |
皆既食の終了 |
28日 21時23.8分 |
部分食の終了 |
28日 22時22.5分 |
半影食の終了 |
●各地の月出
札幌 18:13 仙台 18:09 東京 18:10 名古屋 18:24
大阪 18:28 広島 18:40 福岡 18:47 那覇 18:52
●各地の日没
札幌 18:13 仙台 18:09 東京 18:10 名古屋 18:24
大阪 18:28 広島 18:40 福岡 18:47 那覇 18:52
|
上記のアニメーションを
ムービーでご覧戴けます。
待ちに待った皆既月食ですが日本国内では月食開始の部分食は観測出来ません。
部分食の開始から終了までは3時間30分に及びますが、
月出から1時間程度は月の高度が低く建物の多い地域では観測が困難です。
今回の月食は黄緯度差が小さく皆既食が1時間30分程度続きます。
皆既中でも月の面の様々な場所で色や明るさの違いなどを観測してみると良いでしょう。
皆既の終了間際にも色の変化が見られるはずで、地球大気の状態によって違ってくると言われています。
また、近地点で迎える月食のため地球の陰の大きさも幾何学的計算より2%以上違ってくる可能性があります。
観測になれている方は主なクレーターとの接触時刻を観測されることをお奨めします。

画像をクリックするとアニメーションウィンドウを開きます(222kBytes)
アニメーションを
ムービーでもご覧戴けます。
一般によく使われるクレーターと2007年8月28日の月食の接触時間を示します。

精密月面図はこちらのページで
ご覧戴けます。 |
|
火 口 名 |
潜入時刻 |
出現時刻 |
1 |
ティコ |
18h29.4m |
20h44.8m |
2 |
グリマルディ |
17h57.0m |
20h31.0m |
3 |
アリスタルコス |
17h58.5m |
20h36.6m |
4 |
ケプラー |
18h03.2m |
20h38.3m |
5 |
ピテアス |
18h09.1m |
20h47.4m |
6 |
コペルニクス |
18h10.8m |
20h46.8m |
7 |
プラトー |
18h12.6m |
20h53.0m |
8 |
マニリウス |
18h23.8m |
21h01.6m |
9 |
アリストテレス |
18h21.0m |
21h01.4m |
10 |
ユードクソス |
18h21.7m |
21h02.1m |
11 |
メネラウス |
18h26.6m |
21h04.9m |
12 |
プリニウス |
18h30.1m |
21h08.3m |
13 |
プロクルス |
18h38.5m |
21h17.0m |
14 |
タルンティウス |
18h41.4m |
21h18.4m |
|
番号順・時刻順のデータファイル EXCEL:
20070828.xls CSV:
20070828.csv
2004年5月5の皆既月食
3年ぶりの皆既月食が巡ってきます。
2001年の月食は雨に泣かされましたので、実質4年ぶりになります。
ゴールデンウィーク最終日の早朝にどんな月食を見せてくれるでしょうか。
今回の月食は決して条件の良いものではありません。
東京では皆既直前に月没を迎えますので、
より長く観測するためには関西以南の方が好条件となります。
以下に食の進行状況を示します。
 |
時刻 |
月食の状態 |
5日 02h50m49.9s |
半影食の開始 |
5日 03h48m12.6s |
部分食の始まり |
5日 04h51m56.5s |
皆既食の始まり |
5日 05h30m08.1s |
食の最大(食分1.309) |
5日 06h08m19.3s |
皆既食の終了 |
6日 07h12m04.2s |
部分食の終了 |
6日 08h23m26.0s |
半影食の終了 |
5月5日の月没は04h45m(東京)です。 |
皆既月食ですが日本国内では月没により最後まで観測出来ません。
半影食の開始から終了までは5時間18分に及びますが、
部分食開始から月没までは1時間程度しかありません。
また、月の高度が下がるに連れて東からは太陽が昇ってきますので、
空が明るくなってくると月食中の月は姿を消して行くように見えるかも知れません。
この月食が最も適しているのは南アフリカ・中近東・インド周辺です。
日本は月食観測可能範囲の一番端に位置しています。
明るくなって行く空の中での月食がどのように見えるのか、
そのあたりが今回の月食の見所となりそうです。

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2001年7月5〜6日の部分月食
21世紀最初の皆既月食は雨に泣かされましたが
悲しみから半年が経ち、再び部分月食が巡ってきます。
この後の月食は3年後になり、時間的条件に恵まれた月食はしばらく巡ってきません。
しかしながら日本では梅雨の時期と重なり観測は難しい側面も持っています。
以下に食の進行状況を示します。
 |
時刻
|
月食の状態
|
5日 21h10.8m |
半影食の開始 |
5日 22h35.1m |
部分食が始まります |
5日 23h53.3m |
食の最大(食分0.499) |
6日 01h15.3m |
部分食の終了 |
6日 02h39.7m |
半影食の終了 |
7月5日の月出は18h49m(東京)です。 |
部分月食であるために皆既はありません。
半影食の開始から終了までは5時間30分に及びますが、
部分食は2時間40分程度と短めです。
これは、月が地球の本影の端を通るためで、
満月時の黄緯度が約0.67度ほどずれているのが原因です。
部分食の最大時を中心として、満月の変化が
今回の月食の見所となりそうです。

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2001年01月10日の皆既月食
21世紀最初の月食が皆既月食となります。
日本を始めアジアやアフリカ、ヨーロッパなど広範囲で見ることが出来る皆既月食ですが、
食の開始が遅く、食の最大では高度が18度と低くなってしまいます。
以下に食の進行状況を示します。
 |
時刻 | 月食の状態 |
02h43.5m | 半影食の開始 |
03h42.0m | 部分食が始まります |
04h49.5m | 月食の皆既状態の開始 |
05h20.6m | 食の最大(食分1.195) |
05h51.6m | 皆既の終了(部分食は継続) |
06h59.1m | 部分食の終了 |
07h57.6m | 半影食の終了 |
東京での日の出は06h51mです。 |
皆既継続時間は1時間02分と比較的短めです。
これは、月が地球の本影の端を通るためで
2000年07月の皆既月食の約半分の時間になります。
皆既の最大時を中心として、皆既中の明るさの変化が
今回の月食の見所となりそうです。
2000年7月16日から7月17日に掛けての皆既月食
およそ2年10ヶ月ぶりに皆既月食が起こります。
近年の月食の中では特に好条件となる皆既月食で、天候にさえ恵まれれば
夜半に掛けての月食をゆっくりと楽しむことが出来ると思います。
以下に食の進行状況を示します。
 |
時刻 | 月食の状態 |
19h46.6m | 半影食の開始 |
20h57.2m | 部分食が始まります |
22h02.1m | 月食の皆既状態の開始 |
22h55.6m | 食の最大(食分1.773) |
23h49.1m | 皆既の終了(部分食は継続) |
00h04.5m | 部分食の終了 |
02h04.5m | 半影食の終了 |
|
皆既継続時間が1時間47分という異例の長さです。
これは、月が地球の本影のほぼ中央を横断するためで
1859年2月17日の皆既月食に次いで長いものになります。
近年では1982年7月6日の月食で1時間46分と言う
皆既継続時間を記録しています。
太陽光のうち波長の長い赤い光は地球大気で屈折して本影内部に入り込むため、
本影に入った月はやや黒ずんだ赤い光で光るのが普通ですが、
今回のように本影の中心を通る場合には、赤い光も少なくなり、
食の最大時付近でどのくらい暗くなるかも興味深いところです。
1999年7月28日の部分月食
台風の接近に伴って全国的に天候に恵まれない状況の中、
何とか4時間に及ぶ撮影に成功しました。
15分間隔での撮影とネット上へのアップロードを行いながらの観測は、
非常に忙しいものでしたが、ほぼ月食の全体を捉えています。
#01 | #02 | #03 | #04 | #05 | #06 | #07 | #08 |
 |  |  |  |  |  |  |  |
#09 | #10 | #11 | #12 | #13 | #14 | #15 | #16 |
 |  |  |  |  |  |  |  |
状況 | 時刻 | 月高度 | 撮影 | コメント |
半影月食開始 | 17時56分 |
| 準備 | 天候最終確認 曇天(雲量多) |
月の出 | 18時40分 |
| 準備 | 各種機材と通信回線の最終チェック |
| 19時15分 | 5.5度 | 1回目 | 雲多し撮影断念 |
部分食開始 | 19時22分 | 6.7度 |
|
|
| 19時30分 | 8.0度 | 2回目 | 雲間に現れた所を撮影 |
| 19時45分 | 10.6度 | 3回目 | 薄雲が掛かっています |
| 20時00分 | 13.0度 | 4回目 |
|
| 20時15分 | 15.4度 | 5回目 |
|
| 20時30分 | 17.7度 | 6回目 |
|
部分食最大 | 20時33分 | 18.2度 |
|
|
| 20時45分 | 20.0度 | 7回目 |
|
| 21時00分 | 22.1度 | 8回目 |
|
| 21時15分 | 24.1度 | 9回目 | 雲が接近中 |
| 21時30分 | 26.0度 | 10回目 |
|
部分食終了 | 21時45分 | 27.7度 | 11回目 |
|
| 22時00分 | 29.3度 | 12回目 | 全天の8割は晴、月だけが雲に |
| 22時15分 | 30.7度 | 13回目 | 晴天域は5割に減少 |
| 22時30分 | 32.0度 | 14回目 | 厚い雲が掛かり出す |
| 22時45分 | 33.1度 | 15回目 | 雲多し撮影断念 |
| 23時00分 | 34.0度 | 16回目 | 雲多し撮影断念 |
半影食終了 | 23時11分 | 34.5度 |
|
|
実際の影と月の関係は次のように推移していました。
画像作成:Moon32 Ver2.12d
1999年1月31日から2月1日に掛けての半影月食
気温0度にまで冷え込む中、まずまずの晴天に恵まれ
4時間に及ぶ半影月食を観測することが出来ました。
半影月食とは地球の影の中心から外れた薄い部分に月が入る現象で、
肉眼では殆ど確認することが出来ません。
通常は、光度の変化を敏感に捉える写真などに収めることで、
月食の進行状況を見ることが出来ます。
しかしながら今回の半影月食は、半影の部分にだけ月が完全に入ってしまうと言う
大変珍しい状況で、何と18年ぶりの半影皆既月食でした。
特に本影に近づく午前1時から1時30分頃においては、
肉眼でも部分的に暗くなっていることが確認できました。
以下は、半影月食の進行状況を捉え易いよう30分間隔で撮影した連続画像です。
< 23:30 〜 0:00 〜 0:30 〜 1:00 〜 1:30 〜 2:00 〜 2:30 >
実際の影と月の関係は次のように推移していました。
画像作成:Moon32 Ver2.12d
現実には半影と本影の区分はなく、本影中心に向かって次第に影が濃くなっています。
半影皆既中には本影方向の月面一部が暗くなっていることを肉眼でも確認できました。
中秋の名月と皆既月食
1997年9月17日の月食は中秋の名月と同夜と言うことで、
非常に珍しい月食でしたが、あいにく台風が日本列島を横断し
全国でも、ごく限られた地域でしか観測出来ませんでした。
そこで、今回の月食の進行状態を時間の流れと共に振り返ってみましょう。

時刻 | 月食の状態と空の明るさ |
1:11 | 半影食の開始 |
2:08 | 部分食が始まります |
3:15 | 月食の皆既状態の開始 |
4:17 | 皆既の終了(部分食は継続) |
5:25 | 部分食の終了 |
6:22 | 半影食の終了 |
月食は9月17日午前1時11分から始まりますが、半影月食そのものは、殆ど確認できません。
実際に私達が月食として判断できるのは部分食の開始です。
月食後半では日の出前の薄明が始まります。(東京:4時頃)
月食の終了時には太陽が昇り観測は困難となります。(東京5:25)
