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ガザ支援船:イスラエル軍が攻撃 活動家ら19人死亡

 【エルサレム花岡洋二】パレスチナ自治区ガザ地区への支援物資搬入のため地中海を航行していた貨物船と旅客船計6隻から成る国際支援団体の船団が31日、公海上でイスラエル軍部隊に急襲された。船団にはトルコや欧州の活動家ら約700人が乗船しており、イスラエルのテレビによると、19人が死亡、イスラエル軍兵士5人を含む36人が負傷した。日本人が乗船していたとの情報はない。

 イスラエル軍の広報担当者は「兵士はナイフやこん棒で襲われた」として「責任は船団側にある」と正当防衛を主張しているが、多数の民間人の死傷により、イスラエルへの非難が強まっている。

 船団を組織した国際支援団体「フリー・ガザ・ムーブメント」によると、船団はトルコとギリシャの港を25日以降、順次出港して編成された。北アイルランドのノーベル平和賞受賞者メイリード・マグアイヤ氏ら約40カ国の活動家や政治家が乗船し、イスラエルによる封鎖が続くガザで不足している建設資材や浄水装置など計1万トンの物資を運んでいた。31日未明、ガザの西約150キロの公海上で軍の小型船とヘリコプターに急襲されたという。

 事件を受け、トルコ政府は同日、国連安保理の緊急会合開催を要求し、駐イスラエル大使を本国へ召還した。シリア政府はアラブ連盟の緊急会合の開催を求めた。イタリア、ドイツなど欧州諸国からも事態を憂慮する声が相次ぎ、欧州連合のアシュトン外交安全保障上級代表は事件の調査やガザ地区への人道支援物資の無条件搬入をイスラエルに求めた。

 国連の潘基文(バン・キムン)事務総長はイスラエルに徹底した説明と調査を求めた。

 ガザへの物資搬入を国際的に広報していた団体側に対し、イスラエル政府は事前に「ガザのテロ活動を手助けする物資が積まれている可能性があり、船団は阻止する」と宣言。洋上ではここ数日、船団と軍船舶のにらみ合いが続いていた。

毎日新聞 2010年5月31日 21時05分(最終更新 5月31日 21時09分)

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