やまぐち号 撮影記 その2
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仁保駅から、大量の車が動き出す。
やはり、俺と同じように追いかける人たちであろう。
しかし、中には、子供に生きたSLを見せるためだけに来たと思われる家族連れもおり、その車の後ろについたものだから、イライラしてくる。
彼らにとっては、急ぐ理由なんかないからだ。
しかし、運転していた人は、そのような人が居ることを承知しているのか、道を譲ってくれた。
急いで国道9号線に合流して、件の関所である片側交互通行のトンネルに急ぐ。
もし、目の前で止められれば、4分間は足止めになる。
ここは、運を天に任せるしかない。
現場に近づくと、停車位置の200m手前の標識付近で停車した。
これならば・・・
予想通り、1分ほどの停車時間で、関門を通過した。
よし!後は、時間と腕の勝負だ!
信号のほとんどない道だけに、ほかの車も60km/h前後で走っているが、それでは遅い!
追い越し可能なところに来ると、アクセルをいっぱいに踏み込んで、一気に追い越しをかける。
この先に、小さな橋の架け替えに伴う車線規制があるからだが、そこも無事に通過。
並走し始めた山口線の踏切が作動する気配もなく、これならば間に合いそうである。
長門峡駅を少し超えたところにある空き地に車を滑り込ませる。
下が砂利だけに、テールが滑り、テールスライドし、ハンドルにカウンターをあてながらの停車になる。
若いころの無茶な走りが、こうした場面で役立つとは・・・
後部座席から三脚とビデオカメラ、一眼レフカメラを取り出し、車の切れ間を狙って9号線を横断して、撮影ポイントに走る。
仕事に遅刻しそうでも、これほどの勢いでは走らないw
田んぼの畦の一角に三脚を据え、ビデオをセットする。
SLはすでに到着している。
停車時間は1分、急がねば・・・
ビデオのスイッチを入れると同時に、「ボー!」という汽笛。
細かい設定をしている暇はない!
フルオートで撮影することを選択する。
長門峡駅発車! 機関車をメインに 編成写真
列車が通り過ぎると、三脚をたたむことなく、そのまま抱えて走り出す。
次は、地福駅で追いつくつもりである。
しかし、その時間は10分程度。
追いつくことは不可能に見える。
しかし、地福駅でも10分程度停車するために、出発の時間に間に合えばいい。
後部座席にカメラ一式を放り込むと、ホイールスピンをさせながら、国道9号線を走りだす。
幸いなことに、前方をさえぎる車はいない。
パトカーが周囲に居ないことを祈りつつ、制限速度をはるかに上回るスピードで走る。
地福駅手前で、カーナビの指示に従い左折。
駅前の駐車スペースに車を止めると、すでに列車は到着し、乗客たちが記念撮影をしている。
地福駅は無人駅で、駅舎とホームを結ぶ通路が、そのまま撮影スペースになる。
乗客たちが列車に乗り込むのを待ち、カメラのセッティングに入る。
ただ、気になるのは風が逆風である。
そういえば、件の「機関車入門」では、SL撮影時の注意として、追い風の場合、煙がまとわりつき、正面が隠れてしまうかもしれないと注意書きがあった。
不安がよぎる。
そして、発車の瞬間・・・
シリンダーが動き出すと、煙が・・・ 案の定、煙がかぶった・・・ しかし、動き出すと、走行風と中和して、何とか問題なく、ド迫力写真が。
この撮影ののち、ドレンの蒸気を浴びたのは言うまでもないw
そして、走り去る後姿を撮影する。
次の鍋倉は、駅に寄っていたのでは間に合いそうもない。
国道9号線の並走場所で狙うことにする。
続く
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SL撮影時の注意として、追い風に注意なんですか。なるほど、被ってしまいますね。知らなかったです。
追い風は飛行機の離着陸時も避けるので、乗り物全般に要注意なんでしょう。
2009/7/20(月) 午後 2:47
>SilverKrisさん。
SLの撮影で、もっとも力強く見えるのは、出発の瞬間や加速時、急こう配を登っているところですよね?
しかし、そのような状況というのは、SLのスピードよりも風速の方が上回っているんです。
だから、こうした煙かぶりが発生するんです。
2009/7/26(日) 午後 10:43 [ マグナム大阪 ]