独で女性版バイアグラ開発中　薬頼み？　性欲増進　日本社会への“効能”は (2/4ページ)

　また、「結婚しても緊張などでセックスができない『未完成婚』に有効なケースも出てくるかもしれない」との展望も示す。

　◆子供抜きの時間を

　一方、「恋人・夫婦仲相談所」所長として、対面やインターネットでセックスレスなどの相談を受ける二松まゆみさんは「薬そのものは画期的だが、日本の中高年の女性が飲むのは難しいのでは」と分析する。「男性は企業戦士として働いて奥さんを放っておき、ゆとりが出てから奥さんと接触を試みる。しかし、奥さんからすれば今さらのことで、嫌がるだろう」（二松さん）

　また、「子育てが始まると互いを『パパ』『ママ』と呼び、セックスレス街道まっしぐら。いったん固まってしまった心と体を開くのは容易ではない」と指摘。薬ありきではなく、子供抜きの夫婦の時間や日常の甘い会話、スキンシップの大切さを訴える。

　これに対し、「日本ではだめだと思う」と否定的なのは、フランス文学者で「セックスレス亡国論」（朝日新聞出版）の著者、明治大の鹿島茂教授。「日本のセックスレスは男に原因がある」としたうえで、「アダルトビデオなどの“射精産業”が発達し、セックスが面倒くさくなり、恋愛がこの世の楽しいことだと思わない男性が増えている。女性が薬を飲んで性欲を高めても、男性の方は引いてしまうでしょう」と冷静に分析する。