石川のニュース 【5月31日02時19分更新】

少女食い物「援デリ」横行 違法風俗、県警が警戒 バイトと勧誘、売春へ

掲示板で援助交際を求める書き込み
 携帯電話のサイトで援助交際の相手を募り少女を派遣する「援デリ」が、石川県内で相 次いでいる。運営者は少女に成り済まして相手を求め、派遣される少女は「いいバイト」 と勧誘され売春に引き込まれている。県警は、少女の性を売り物にしたネット上の違法風 俗に警戒を強めている。

 小松署と県警少年課が今月摘発した事件では、「援デリ」を運営した男2人が野々市町 の無職少女=当時(17)=のほかに別の少女にも売春させていたことが判明、同署など は売春防止法違反容疑などで男2人を追送致する。

 「普通の女の子に戻りたい」。捜査関係者によると、新たに被害が確認された少女は、 同署などの調べにこう打ち明けたという。

 「援デリ」は1〜3万円で売春が行われ、少女は売春相手から受け取った現金を運営者 と分け合う。「中高生にとっては高額」(捜査関係者)なため、数千円で性行為に及ぶケ ースもあるという。

 捜査関係者によると、男らは「割り切り(お金で割り切った関係)で会える人いません か」と掲示板に書き込み、売春相手と交渉がまとまると金沢市内などのホテルに少女を派 遣していた。

 少女は派遣1回で売春相手から2万円を受け取り、男らと折半した1万円が取り分にな った。「お金になるよ」と勧誘され「援デリ」に手を染めた少女は、「抜け出せなかった 」と悔やんでいるという。

 県内では今月、ネットで知り合った県内の中学2年の少女=当時(14)=を派遣して 「援デリ」を運営したとして、長野県松本市の会社員男(28)が金沢西署に逮捕された 。2008年12月施行の改正出会い系サイト規制法で、出会い系サイトは公安委員会へ の届け出が義務付けられるなど規制が強化された。これに伴い、法規制の対象外となるブ ログや無料掲示板などのコミュニティーサイトを悪用した「援デリ」の増加が懸念されて いる。

 摘発された事件は氷山の一角とみられ、県警はネット上の監視を強め「援デリ」の取り 締まりを強化している。


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