東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

民主悲鳴 選挙戦えぬ 「鳩山降ろし」の時間なく

2010年5月31日 07時04分

写真

 鳩山内閣支持率が共同通信の世論調査で20%を割り、政党支持率、参院選の比例代表投票先でも自民党に逆転された民主党内からは「参院選を戦えない」と悲鳴が上がった。鳩山由紀夫首相に対する責任論も広がっている。だが「鳩山降ろし」を仕掛けようにも、参院選まで日程的な余裕はない。苦戦必至の決戦に向け、焦燥感ばかりが募っている。 (政治部・竹内洋一)

 「これじゃ選挙にならない。全然駄目だ」−。民主党内に三十日、こんな悲観論が充満した。

 米軍普天間飛行場の移設問題で首相の公約違反が明確になった直後だけに、低迷する内閣支持率がさらに落ち込むのは、ある程度織り込み済みだった。衝撃だったのは、政党支持率、参院選比例投票先の双方で自民党に先行を許したことだ。

 政権交代後、党勢回復の兆しが見えない自民党の後塵(こうじん)を拝すことへのショックは相当なもの。あるベテラン衆院議員は「鳩山体制のままでいいのかを議論するのは当たり前だ」と強調。首相支持派の中堅議員も「もう鳩山さんは厳しいかもしれない」と漏らした。

 ただ、民主党が「鳩山降ろし」で局面転換を図ろうにも、時間的制約で身動きが取れないのが実情だ。

 与党は国会を会期延長せず、七月十一日投開票の参院選日程で走り始めている。六月十六日が会期末の国会最終盤で、郵政改革法案や国家公務員法改正案など重要法案の成立は至上命令だ。

 主要国首脳会議(サミット)などの外交日程も立て込む。韓国海軍哨戒艦沈没や口蹄(こうてい)疫問題の対処でも気が抜けない。こんな状況下で政治空白をつくるのは難しいというのが共通認識のようだ。

 加えて党内には、昨年の麻生政権末期を念頭に、首相を引きずり降ろす動きが公然化すれば、参院選に不利に働きかねないとの計算も見え隠れする。

 当の首相は続投に意欲を示す。三十日夕、出張先の韓国から帰国すると早速、平野博文官房長官を公邸に呼び、今後の政権運営を協議した。

(東京新聞)

 

この記事を印刷する